ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

日曜日の定番

 今日のNHK総合チャンネルの朝の番組「日曜討論」は小泉靖国参拝が引き起こす議論。出席者の一人は「あの」上坂冬子である。彼女が繰り返して惹起する中国に対する「内政干渉」としての非難の根拠が「今の中国(共産党)政府はA級戦犯といわれる東条英機が処刑された後の建国であり、そんな国家に干渉される筋合いがない」とするものである。彼女の日頃のことを考えるとこんなことを言い出しかねないというのは分かるのだから、NHKの期待通りの状況が繰り広げられているということである。合併した会社が合併前の不祥事について聞かれて、法人が違うからといってごまかす論理に似てる。戦中に捕虜や外国人をこき使って、補償しろといわれて「合併前のA企業とは法人が違うから要求されても困る」といった製鉄会社だってあるわけだ。


 東西冷戦のおかげで「敗戦革命」の結果はなにもかもうやむやになってしまった我が国の状況はいつまでもこのようなことがずるずると続く。この議論を聞いていると、日本という国は優秀なんだから国際的に孤立しても良いのだ、という結論が聞こえてくる。やっぱり歴史を繰り返すしかないのだろう。嫌がられる存在でいながらも「われ、優秀なり」と自己満足して島に籠もる文化に拘泥する民族なのだろう。アジア太平洋戦争の途中で国民の信を失った政治体制とかれらが創り出した価値観を美化することが快感を造り出すのかもしれない。なぜなら、当時有利な立場に立って生き残った人たちだけがこういっているのではなくて、そんなこと何も知らない人たちがそういっているのだからだ。
 しかし、こうした諦観が私たちの国をあの道に引きずり込んだことも忘れてはならないと思う。