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これが過去最高

 防衛施設庁の談合疑惑に関する処分。

神戸新聞
2006/06/15 22:18
北原長官ら82人大量処分
 防衛施設庁の官製談合事件で防衛庁と施設庁は15日、監督責任を問い北原巌男・施設庁長官を戒告、守屋武昌防衛庁事務次官を訓戒とするなど、幹部ら82人を処分した。両庁では過去最大の大量処分。
 施設庁は併せて「談合は約25年前から組織的、巧妙に隠ぺいされ継続。2000年度から6年間の工事約1600件(約5900億円)に談合の疑いがある」とする調査結果を公表、匿名の告発を受けながら幹部が握りつぶしていた事実も明らかにした。
 82人のうち50人は懲戒処分(降任、停職、減給、戒告)で、残りは内規による処分(訓戒、注意)。本庁のほか計11の防衛施設局、支局の担当者だった職員も含まれる。

 これが最高の処分なんだからこれまで防衛施設庁では本当に「悪いことをする人」がいなかったんだと理解するべきなのか。誰もクビにならない。減給だっていったって民間会社の様に先の見えないトンネル状態の一方的カットではなくて、先の見えた話だ。
 談合は予定価格が分からなくちゃやりようがない。勝手に設定するわけには行かないものなぁ。それに対して美味しい汁が必ず用意されている。じゃなきゃ誰だって罪意識にさいなまれながらそんなことをする気にはならない。でも「ま、いっかぁ」と思う様なインテンシブがなくっちゃ。それは現物でなくたって、どこもかしこも退職者を受け入れて第二の人生を送るための職場を確保していたりする。
 しかし、かつては高文なら話は別だろうが、役場に勤めるのは「さえない」選択というイメージがあった。だから、この辺のことを誰も彼もが公務員を目指す今の時代に説明しても分かりにくい。
 当時は給料も安いけれど、その分官舎があって、恩給があるんじゃないか、と慰めたものだった。国鉄なんかだと家族にまで大幅な値引きがあった。国が経営している、つまり国民の税によって経営されていた鉄道なのに雇われている人たちにそれだけ大きなインセンティブがあった。
 民間企業には景気の山谷が大きく反映、それも雇われ側に不利な型に反映されてしまうものであった。それでももらえる業界になるとどっと出た。そうした差が予測されるから、役場に入った人を見てもそんなに「狡い」と思えなかった。しかし、今になってみると安心してそれまで通りの仕事をしていられるというのはかなり羨ましい存在である。だから、「それでなくても親方日の丸」のくせに退職後まで民間に見てもらうのかと腹が立つわけである。
 つまり相対的関係が変わってきているのにもかかわらず伝統だけは守られるという、実に成長のないコミュニティーだというわけか。25年前からといっているけれど、それが本当だったらバブルの頃からということか。
 6年間に5900億円分の契約について談合があったのだという。これが5%節約(つまり競争入札して5%これより安い値段で発注)していたら、それだけで300億円ということになる。つまり年間50億円よけいに支出していたことになる計算だ。それでも誰もクビにはならないんだ。<朝のニッポン放送でこれまでに二人が懲戒免職になっていることを知る>。
 とはいえ、金融機関の大本締めの首領の場合は金額の問題じゃない。アンフェアの手本となることが問題なのだ。それが全て本当かどうか知らないが、与党にいじめられて辞めさせられた速水さんの場合は総裁就任時に「日商岩井の株のすべてを財団に寄付し、退職金も一橋大に寄付した」(日刊ゲンダイ)のだそうである。「民主党は何でも辞任すればいいと思っている。もっと冷静に考えた方がいい」(日刊ゲンダイ)とうそぶく公僕のリーダーはいつでもこうしてしらばっくれてきた。多分学生の時から。それでもみんなこの人が良いといっているんだそうだ。みんなこれならきっといつか自分にも美味しい汁が回ってくると思っているんだろうな。待っているうちに人生は幕を下ろす。