ほぼ足りてまだ欲 その先

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豪州フィルム・フェスティバル

 東京国立近代美術館フィルムセンター(京橋)で先週から豪州映画が毎日二本上映(豪州映画祭)されているという。今年は日豪交流年2006ということになっていて、その記念の行事である。なんで今年が日本とオーストラリアの交流年なんだろうというと、今年が日豪友好協力基本条約の署名30周年にあたる、ということから目立たないながらもいくつかの行事が一年を通して行われてきた。残念ながら日本と豪州の間には経済的な繋がり、石炭、鉄鉱石、天然ガスの鉱物資源の輸入を中心にした原材料貿易くらいしか目に付かなくてあまり身近でない。市民レベルでいえばBSEのおかげで牛肉が注目を浴びたくらいで、ほとんどの一般市民にとっては観光地として捉えられているくらいである。その鉄鉱石や石炭もそれまでの米国からの輸入から切り換えることになったのも1960年代に調査が始まったくらいで、その歴史は大変に浅い。それまでは豪州自身もアジアに目を向けていなかった。
 そんなことも今の青年達にはあまり気にならないようだ。ワーキング・ホリデイ・ビザで一年間過ごす人達もほとんどそれまでの経緯を気にしていないように見える。逆に出かけてくるオージーの若者も気にしていない。しかし、二国間の歴史を知らずに、そしてその歴史によって嫌な思いをした人達の存在を知らずに暮らすことは、歴史に学ぶという貴重なチャンスを放棄するということではないだろうか。