ほぼ足りてまだ欲 その先

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麻布プリンスホテル

 六本木にあるプリンスホテルが今年のクリスマスで営業を終了して海外のいくつかのホテルと同じように売却するそうだ。谷町のジャンクションの傍にあって首都高の環状線芝公園の方から来て渋谷にわかれていくとぐるぅっと見ていく格好になる。かつてはここにはフィンランド領事館が建っていたそうで、1976年に南麻布三丁目にあった麻布プリンスホテルと等価交換したものだそうだ。私は六本木プリンスホテルには一度も足を踏み入れたことがないから、別にこの閉鎖の話を聞いてもなんの感慨もないが、小さいけれども瀟洒な隠れ家とでもいえるような当時の麻布プリンスホテルには、友人が結婚式を挙げ、披露宴を開いたことがあって何となく華やかな印象がある。小さいながらもプールまであって、あのまま残しておきたいようなホテルだった。その披露宴の司会をしたことを想い出し、しかしながら数年後に彼らが別れてしまい、そのどちらからも既に連絡が絶えてもう10数年になるということまで想い出した。一粒種も元気でおられればとっくに成人しておられることだろう。そうしたちょっと華やかでいて、裏寂しい想い出がある。
 そういえばこれまでに何組もの結婚披露宴の司会をさせて貰ったけれど、とても残念なのはその後別れてしまってそれすらこっちが知らなかったりするときだ。それはなんだか便利につかわれただけなのかと残念な気持ちになったりするけれど、所詮、そういう繋がりでしかなかったのだから、それは諦めるしかない。人と人の繋がりは、一方が思いこんでいたとしても、他方がそれほどでもないというのはいくらでもある。0.5+1.5=2.0の時もあれば1.0+1.0=2.0の時もあって、両方とも2.0なんだけれど、実はその中のバランスは微妙だったりするのかも知れない。
 嫌がられていたり、煙たがられていたりする時、とても残念で侘びしいことだけれども、それ以上近づかない方がよい。それが身のためだし、それから先は何も生まれない。よしんばそれがどちらかの誤解に基づいていたとしても、もうそれ以上の理解を得ようとするのはやめた方がよい。ろくな結果は生まれないだろう。