ほぼ足りてまだ欲 その先

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約束違反

 神戸市で学歴を詐称した公務員が諭旨解雇されたという。しかし、それは前の首相がロンドンでろくすっぽ勉強をしないでいたにもかかわらず留学だか、聴講生だかをしていたという略歴を披瀝していたというどこかの国の話とは違って、短大や大学を卒業していたくせに、中・高卒者対象の職種に応募し、採用されて働いていたということで、むしろ背に腹は替えられないという動機かも知れない。

学歴詐称諭旨免職 神戸市教委の女性職員 神戸新聞2006/07/26 神戸市教委の女性職員(48)が、短大を卒業しているにもかかわらず、最終学歴を高校卒と偽り、受験資格のない同市の採用試験を受験、14年前に採用されていたことが26日、分かった。市は同日付でこの職員を諭旨免職処分にした。市教委によると、女性職員は、中学、高校卒を対象にした1992年度の学校給食調理師採用試験に合格し、小学校の調理師として働いていた。職員は短大卒業後、民間企業で働いていたが、市教委に提出した履歴書には、最終学歴を高卒とし、短大在学期間は「アルバイトをしていた」と説明したという。今年四月に市教委に情報が寄せられ、職員本人に確認して学歴詐称が判明した。市教委は今後、高校卒業から採用までに一定の期間があり、その間の職歴などが証明できない職員について、あらためて学歴を調査する方針。職員の学歴詐称をめぐっては、尼崎市教委の校務員が大学卒を高卒と偽っていたことが判明し、六月に諭旨免職になっている。神戸市教委は「職員として勤務成績もよかったが、勤務を継続させることはふさわしくないと判断した」としている。

 どうやらきっかけはこの辺のようで、4月に神戸市の教育委員会に情報が寄せられ(要するにたれ込みがあって)内偵でもしていたのだろうか。で前月に尼崎で同様な件が明確になったので、神戸市も踏み切ったということなんだろうか。

 学歴詐称新たに十数人 内部調査で発覚 神戸市 神戸新聞 2006/11/02 神戸市の学校職員が学歴を偽って採用されていた問題を受け、同市教委が実施した内部調査で、新たに十数人に学歴詐称の疑いがあることが2日、分かった。このうち大半は不正が確認され、既に諭旨免職処分となっている。市は近く結果を公表するとともに、調査対象を市教委以外にも拡大する方針。調査は高校卒業後、採用までに一定期間のある職員を対象に聞き取り形式で実施した。市教委によると、今回発覚したのは給食調理師ら。いずれも大学や短大を卒業しているのに、履歴書などで高卒と偽り、中学・高校卒業枠で受験し、採用されていたという。同問題をめぐっては、給食調理師の女性が七月、学歴を偽っていたことが発覚し、市教委が諭旨免職処分にしていた。市は複数の職員が学歴を偽っていたことを重視し、他の部局でも採用時に不正がなかったかなどを調べる。

 この記事を見ると神戸新聞は「市は近く結果を発表する」と書いていて、翌日にその記事が出ると云うことは既にそれまでにおおよそをつかんでいたがなかなか踏み切れなかったのだけれども、市が翌日に公表することを(多分クラブへの通告で)知り、それまでにつかんでいることを記事にした、ということだろう。

学歴詐称で就職 学校職員13人を諭旨免職 神戸 神戸新聞 2006/11/03
 神戸市の学校職員による学歴詐称問題で、同市教委は2日、1978-2005年に採用した32-60歳の調理師と管理員の計13人を諭旨免職処分にした、と発表した。別の調理師による学歴詐称採用を受け、9月以降に実施した内部調査で不正が発覚。いずれも大学や短大を卒業して本来は受験資格がないのに、最終学歴を高卒と偽り採用されていた。市教委は「法律を守る公務員としてあってはならないこと」としている。

 解雇された人たちの中には28年にもわたって働いてきた人もいる。市の発表のように高校を卒業したあとの空白期間を何らかの理由で説明して面接を乗り切ってきたようだ。
 本年10月以降採用の「選考案内」には:「イ 中学校又は高等学校を卒業した人及び卒業見込みの人(大学、短期大学及び高等専門学校を卒業した人又は平成19年3月までに(中学又は高校を)*1卒業する見込みの人は受験できません。」としてある。当時からずっとこの規定であったのであれば、これは規定違反ということになって辞めさせられても致し方がないということだろう。つまり、中・高卒者へのアファーマティブ・アクションのひとつだということになるわけである。それにしても上の学歴詐称の話は聞くがその逆でクビになるとはなぁ。しかし、氷河期に短大、大学を卒業した23-4歳から30歳くらいまでの人たちにとっては、それこそ差別であるといいたいだろうと思う。

*1:これが入っていないと読む人には分かりにくい。