ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

「奇想天外!『新宿寄席』」 紀伊國屋書店主催 花林舎制作 例の歳末企画二日目。

[奇人 ] オオタスセリ

 あれから一年。すでに「ストーカーと呼ばないで」のシングルだけではなくて、アルバムもある。女の酔っぱらいの歌や、負け犬の歌(大体題が分からない、やっぱりアルバム買わないとダメか?)は面白く、と思っていたけれど、聴いているうちにかなり真顔になってくる歌である。ニートの歌はいまいち私には繋がらないものだった。

[毒談 ]佐高信

 社長はどうもやっぱり奥歯に物の挟まったような物言いになってしまったのだけれど、同じ山形県出身としては加藤紘一の実家の事件を笑えない状況。長谷川慶太郎堺屋太一竹中平蔵は呼び捨てで、城山三郎、(もうひとり)、そして佐高信は「さん」付。最後に突然、「偶然」来たという小室等がギターと譜面台をマイクを持って登場し、かの小室等に伴奏をさせてばたやんの「帰り船」を唄う。ギャラは中村屋のカレーだそうだ。そんなに安くはないけれど、何たって小室等だよ。

[美談]朴慶南

 いやいや、本当に美談で、石川の養護学校の先生が山手線で学生に絡んでいる大きな50代の「その筋」の人をとっさに抱きしめ「いいのよ、いいのよ、もう怖がらなくてもいいのよ」と押しとどめ、その筋の方と仲良くなった話からどんどんいく。詳しくは彼女の著作にあるとのことである。

[漫才]入歯亭六輔、入歯亭泰久:

 ほぼ入れ歯の話だ。永六輔は喋り用ともの喰い用のふたつの入れ歯を所有するという。近眼と老眼の眼鏡を持っている人がいるのと同じだという。なるほどと。矢崎は空いた電車の中で思わず大きなクシャミをしたら、入れ歯が飛び出て、びっくりしたけれど、その反対側の席に座っていた女性は「ぎゃ」といってとても驚いたのだそうだ。そりゃ無理ないわ。

[講談]神田山陽

 さすがは洋行帰り、新進気鋭の講釈師だけあって、登場するなりばんばん飛ばす。釈台と高座をセットするために一旦緞帳が下がったものだから、休憩だと思った皆さんがトイレに立ってしまって、山陽が釈台についた時にはバラバラと人が歩き、ざわざわと会場がしているという状態で、落ち着かないことこの上ない。山陽はそれでも参りながらもいじって繋ぐ。話の方は「佐野山」である。取り組みになる前に時間。釈台抱えて飛ぶように袖に引っ込む。

[落語]ミッキー亭カーチス:

 トリはなんと立川流真打ちのこの人である。もう68歳になるという。山下敬二郎が67歳、平尾昌晃が69歳だってんだからびっくりする。山下は「ダイアナ」一本できた。日本語で唄っている。♪きみぃは僕より歳上だぁ〜、っていったい誰に唄ってんだと大笑い。話の方は八っあんが隣の外人と町内にできた指南所にあくびを習いに行くという「あくび指南」。その外人は平気で英語で話す。翻訳がない。で、あまりにも持って行き方の下手な八っあんをバカにして夏の設定の指南だからと(ここがミソ)Summer Timeを歌い出す。その最後に「わぁ〜」とあくびをして、「お、そちらの方が筋がいい」。確かに素人とはいえないほど巧い。そりゃそうだ、素人じゃなくて立川流真打ちなんだから。しかし、やっぱり前に今の馬生師がいっていたように、声の出し方、声の使い方が全く違う。やっぱりプロはプロだけある(当たり前だ)。われわれの唄もやっぱりそうなんだよね、所詮。ハイ、よぉくわかりました。
 さすがに帰りの電車で眠くて、折角京橋の明治屋さんで買ったピクルスの瓶つめをプラスティック袋に入れたままどこかにおいて来ちゃったんだなぁ、惜しいことをしたもんだ。
 新宿に行ったついでに三越の7-8階に入っているジュンク堂に行く。欲しかったタイトルの本は軒並み高くて逡巡。どこかの図書館で探すしかないだろうなぁ。

  • 「少年犯罪の深層 家裁調査官の視点から」藤川洋子 ちくま新書 2005.05
  • 社会福祉研究法」有斐閣アルマ 2006.11(今更ながらなんだけれども、どうも評判になっているようなんで無性に見てみたくなって)
  • 「季刊あっと 6号」太田出版 2006.12 特集は「現代農業論入門」、周防正行監督へのインタビュー記事あり。
  • COYOTE 15」スイッチ・パブリッシング 2006.12 特集は(チキショー)New Zealandである。そろそろもう私にはこの雑誌は似合わないかも知れないなぁ。