ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

衆議院予算委員会

 今日も朝から衆議院予算委員会が丁々発止と続けられているけれど、内閣の皆様、並びに政府委員という官僚の皆様の時間を稼いで時間切れになることを待っているかといっても良い様な答弁の連続を聞いていると(誰も聴いてくれなんて頼んじゃいないやね)やっぱりこうした姿勢を是とするグループによってリードされる社会のあり方は正しいわけではないと思う。
 佐々木憲昭の質問に対する尾身の答弁を聞いていたら「失業率4.3%、有効求人倍率がわずか0.5だった小渕内閣時代に実施した減税は低所得者層に厚い減税にしたわけで、それを元に戻したんだからこの時点だけ見ると低所得者層に増税になったかの如く見えるのである」という。だから格差が現時点で存在すると認めてしまったらこの論理が成り立たなくなる、ということなんだろう。こういう答弁はやっぱり官僚がつくるんだろうか。「あ、この論理、良いじゃないの。ウン、ウン、採用!」とかいっているんだろうか。昨日の柳沢の答弁じゃないけれど「一生懸命やってきたんです。しかし、限界があったということです」ってそれってやったけれどきちんと対応できなかった、ということなんだからもう手を引いたらどうなんだろう?
 昨日の予算委員会のビデオを「衆議院」議事録サイトでちょろっと見た。民主党の枝野が安倍晋三と同期当選なんだそうだ。で、ここで枝野が相応の時間を割いていたのが「福島県大野病院事件」の件、そして「横浜の堀産院無資格助産事件」の件に関連した構造的問題をどの様にして解決していこうとするのか、という質問だ。枝野によれば厚生労働省は平成22年度までに助産師を全国で1000名増加するという。日本産婦人医会の調査によれば70%以上の充足率を実現できている(本来的には100%充足されていなくてはならないわけだけれども)施設は全国に208しかないというのである。これを充足させるには最低10年はかかるだろうというのが日本産婦人医会の見通しだ。柳沢厚生労働大臣は「最大限の努力をする。潜在的資格者の現場復帰を図る」と答弁する。看護師の世界もそうだけれど、どうして皆さんが現場を離れていくのか、という点を考えずに「復帰して頂く」といったってそんなもの実現性はほぼゼロだ。柳沢は福島県大野病院事件については係争中であるとして全くコメントをしない。私たちはとんでもない状況の中にいて経済大国だとか、先進国だとかいっているらしい。
 枝野が不妊治療の話を力説した。彼の家庭のケースを引いて話すものだから非常に説得力がある。私もかつて、そう5-6年前に自分よりわずか3-4年若い人と初めて呑むチャンスがあったときに全くなんの意図もなく「お子さんはお幾つですか?」とお伺いした時に、彼に「世の中には結婚していても子どもの持てない家庭もあるんですよ」ときりかえされてどきっとした経験を持つ。振り返ってみればわが家も結婚後5-6年の間子に恵まれなかった。連れあいは排卵促進剤の投与を受けていたこともある。それが子宝に恵まれる結果となるや否や、そんな人たちのことをもうすっかり忘れていたのである。一旦子どもに恵まれるともうそんな状況のことなんて忘れてしまっていたのである。
 連れあいにどうしたら多くの人が子どもを持とうと思うだろうかと水を向けると「きちんとした育児休暇と家事の半分をパートナーが分担するなら」とあっけらかんとこたえた。これを実現するためには勿論パートナーとしての男性の意識改革(いや、理解が足りなくて申し訳ないと過去を悔いるわけだが)が必要なのはいうまでもないけれど、そのためには雇用者の労働システムにおける全面的な理解がなくては実現しない。ということは、今の政府が狙っている様な被用者だけにメリットのある社会をつくろうとする動きは全くそぐわしくないのだ、ということは明らかだ。
 枝野は午前の質問の最後に経済諮問会議委員のキャノン御手洗氏に関してその企業が偽装請負や派遣についての労働法上の指導を受けている企業であり、その人が政府の委員であることについて質問をした。そして、厚労省にキャノンの労働法違反のその後についての報告と当の御手洗氏を委員会に呼んで話を聞くことを要求した。多分実現はしないだろうけれど。それにしても枝野も安倍もその喋る速度はとてつもなく速いので、ただそのままビデオを流していたのでは全発言を書き留めるのは私にとっては至難の業である。早くテキストの議事録を発表して欲しいぞ。
 午後の最初に質問に立った民主党高井美穂は初めて見た。う〜む、あがっているのかな。声が震えている。
 ところで、NPO法人認可に絡む話からぼろぼろと話がこぼれ落ちてきている松岡農水相と一緒に同郷の参議院議員の名前も出ている。昨日のテレビの番組では、この参議院議員に国会内で直接インタビューをしていたが、この人は凄い。「せからしかぁ〜!」と怒鳴ったのである。なるほどね。