ほぼ足りてまだ欲 その先

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誤解していたのかも知れないなぁ

 今週は様々な大学でも卒業式の週だろう。あちこちできっとはかまを穿いた女学生が紙袋をぶら下げてつるんで歩いているんだろう。やったね、ってなもんだ。36年前に大学を卒業した時にとにかく企業に就職してもう遊べなくなるなと覚悟を決めたけれど、いろいろなことを知ることになるのだろうからとそれが楽しみでもあったし、一日会社の中にいるなんてこの俺につとまるのだろうかと本当に不安でもあった。そして確かに学校で教わったスキルのほとんどは全く仕事の中では役に立たなかったし、職場のすぐ上の上司は、とにかくお前の今までの知識なんてものはなんの役にも立たないのだぞと私にいやという程知らしめるための役割を果たしているのかと想ったほどだった。そしてベテラン先輩が「金があったらこんな処にはいねぇなぁ」というひと言がとても気になった。仕事はそこそこ面白くてやりがいがあった。結構面白かった。俺も男になったもんだ、と自分でもある程度満足した。金は大したことがなかったけれど、必ずや毎年ベースアップがあって収入が増えていくんだという確信があったからそれほど憂いてはいなかった。それから30年近くの間には企業の中の価値観もガラガラと音を立ててかわり、いろいろあって大学に戻ってみてわかったことはきちんと自分の価値観というものの軸を大学時代に創り上げるということができる人はそれほど多くはないけれど、それをやろうとするとできる場なんだということだった。そして、その価値観に基づく諸処の事象の捉え方をマスターすることができるのがとても楽しくやりがいのあることなのだった。つまり、40年ほど昔に大学に入った時には、そんなことを全く考えていなくて、承認された自由時間を少しでも確保しておこうとするものであったというもので、なんともお恥ずかしい限りであった。人間はず〜っと先になって初めて昔のことがわかるというのだろうか。なんとも効率の悪い時間の過ごし方であるのだなぁ。