ほぼ足りてまだ欲 その先

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真剣な仕事

 先日水門官製談合疑惑に対する取り組みの姿勢について国土交通省事務次官のクビをすげ替えれば終わりというスタイルに異論を述べたけれど、その事務次官の記者会見は7月10日(火)の分までウェブ上に公開されている。ここで新任の峰久事務次官がはじめて答えたことになっている。いってみれば所信表明のようなものなんだけれど、これが例によって抽象的な単語の羅列で、どう考えても揚げ足を取られないがために習慣になっているスタイルの継承でしかない。基準がずれないというのが役所の基本的な平等政策のひとつなんだからそうした姿勢が染みついちゃっているというわけだ。
 ところで各省のウェブサイトを一度克明に比較してみるという必要がありそうだと思っている。というのは大臣、副大臣事務次官といったそれぞれのレベルの記者会見をどこまで迅速に,且つ正確に公開するか、という点でも各省の対応がバラバラだからでもあるし、公開の仕方も千差万別だからである。外務大臣麻生太郎、あるいはかつての福田官房長官あたりだったらさしずめ「ま、それぞれの省庁が何も全く同じである必然性があるわけではありませんしね、それぞれでいいんじゃないですか」とでも答えそうではあるが、実はそうではない。民間企業ではあるまいし。「人生いろいろ、会社もいろいろ」で済まされてきてしまった、そんな言葉で愚弄されても唯々諾々として相変わらずに従ってきた、そんな私たちではあるけれど、私たちが雇ってきた官僚に欺されてはいけないのである。
 公開性という観点が最もこれまでの霞ヶ関に欠けている点であるし、それが多くの場合諸悪の根源を創り出していることはもうここまでくればどんなに塗り固めてみたとしても明らかだろう。ここで正確に迅速に公開されてくれば私たちも記者クラブという仲良しクラブの連繋作業によって隠されてしまう部分をいくらかなりとも補うことができるかも知れない。尤も官の発表だからいくらでもどうにでもできると云えないこともないだろうけれど。そういう観点でこれまで続いてきた霞ヶ関の習慣をどんどん見直していくことを霞ヶ関自身がやって行かれるかどうかという点を私たちは関心を持って見ていかなくてはならないのだろう。
 社保庁、厚生省が年金に関する取り組みのいい加減さをこれだけ長いこと放置してきたことを考えてみると、真剣な仕事に取り組む姿勢というものに、誰も彼も欠けていたということでもあるし、それはマスコミにも責任があるといって良いだろう。政治部の記者は発表をなぞっていては仕事にならないことを肝に銘ずるべきなのだ。そして私たちマスコミ情報の受け手もまたどこまで信頼できるのか、どこまでマスコミが本気になっているのかどうかをチェックし続けなくては、結局選挙期間だけの美味しい、そして下手っくそな「熱のこもった演技による」演説に誤魔化されてしまうのだ。
 それにしてもお坊ちゃんはよくよく不器用な人なんだろうなぁと公示日の演説をテレビで見ていてそう思った。

事務次官記者会見

各省のウェブ上における最新事務次官記者会見をみると下記の通り。
外務省:070702、経産省:070710、財務省:070712、農水省:070713、内閣府:070705、総務省:070628、環境省:070713
法務省防衛省文科省事務次官の会見を公開していないように見える。これだけでも足並みが揃っていない。
総務省は先月の28日以降事務次官の会見が行われていないということか。