TBSの永六輔土曜ワイドであの「♪あいたい」がかかった。とても久しぶりだ。先週の番組で久しぶりに「会いたい」をかけますといっていたことには気がついていた。聴きたい気持ちは強いけれど、聴き通す力があるかどうか自信がなかった。最初の単音がとぉ〜んとなった途端にもう涙が出始めた。最近音楽が涙に直結する場合がとても増えてきたような気がする。例えばさだまさしの「案山子」を私はひとりカラオケでももう歌えない。3年ほど前に卒業していく地方からやってきた学生たちとお祝いコンパをやった。その時にこの歌を私が唄うと周りが静かになった。気がつくと地方からやってきたあの学生たちは涙ぐんでいた。彼らは子どもの立場から、そして私は親の立場から、あの曲を聴くと涙が出て、自分で唄い通すことができない。文部省唱歌の「故郷」を私は唄い通すことができない。どんなに頑張っても途中でつまってしまう。あの頃のことを、あの歌が私に想い出させてくれるあの本当に夕焼けが真っ赤に丘の向こうに沈んでいったあの頃を想い出させてくれると同時にとっくに逝ってしまった友達を振り返らせてくれる。そして唄えない。
そして・・・あいつに会いたい。元気でいるのだろうか。
