ほぼ足りてまだ欲 その先

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息子は37%

 「昨年4月からの一年間に、65歳以上の高齢者が家庭内で家族らから暴行や暴言などの虐待を受けていたと自治体が確認した事例が、12,575件に上ったことが21日、厚生労働省が高齢者虐待防止法施行後初めて実施した調査(暫定値)で分かった。介護施設などで職員から虐待を受けていた事例は53件」という記事を各紙が取り上げている。厚労省はこのうち約9,900件を分析。虐待を受けた高齢者の約40%は介護が必要な認知症だというのは「なるほど、そんなもんかな・・」という気がする。
 そしてそうかも知れないけれどまさかなぁと思っていたのは「虐待していたのは息子が37%、夫14%、娘14%、息子の妻10%」という結果である。群を抜いて「息子」の割合が高い。どういうことだろうか。直感的に(つまり深く時間をかけて考えていないし、データーを持っているわけでもないということだが)いってしまうが、日頃家事そのものに前向きに取り組んできていないからという要素はひとつあげても良いだろう。しかし、それだったら夫の割合ももっと高くても良いかもしれない。
 息子と夫との割合の相違は何だろう。妻の介護をする夫の存在そのものの割合が低いという可能性はあるだろう。妻がそうなるまでには夫はもう既に他界している確率は高いだろうからだ。これは高齢でひとり暮らしの女性と男性を比べると圧倒的に女性の方が多いことからも類推できそうだ。その上、永年一緒に暮らしてきたという情、というものが大きく関与していることは考えに入れても良いかもしれない。逆にマイナス要素としては夫婦は他人だけれど親子は血のつながりがあるということもある。しかし、この要素はむしろ正反対に評価する対象にもなりそうだ。
 自分自身が介護を必要としていた母親と接した時の感覚からいうと、母親には面倒を見て貰うものだという観念ができあがってしまっていたところにこっちが一から手助けをしなくてはならないという違和感が存在するのかも知れない。そして認知症が進んでしまって期待するような反応を呈して貰えないとついつい、家族だからこその感情の爆発が出てしまったりする可能性はある。本人からは日頃以上にとても正直な反応が出てきちゃうので着替えを手伝っていても「あんたは下手ねぇ」なんて面と向かっていわれたりすると、こっちも正直腹が立つ。それをどうにかして発散しなくてはいけない。私はそんな時、母がいるところから離れて本人に聞こえない、見えないところにいってぶつぶつ言ってみたり、お昼に自分のために持っていくお弁当をデパ地下で超豪華版を買ったりしてストレス発散をしていた。
 溜まってしまうストレスを如何に発散させるか、という点がとても重要で、その為に周りをうまく使うことができないとそれは苦しい。