ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

バスハイク

 昨日から天気予報はポカポカ陽気で「行楽日和」だといっていたけれど、本当にポカポカ陽気だった。この暖かさで靖国のいつもの染井吉野も花を咲かせたのだそうだ。例年より6か早い開花だという。やっぱり温暖化か。朝から日が沈むまで富士山は一点の翳りもない素晴らしい真っ白な様子を誇示していた。どうだといわんばかりだ。今日のバスは今や温泉好きに大いに話題の「ほったらかし温泉」ともうひとつ、ラジウム温泉で知られた「増富温泉」のふたつに行く。どちらも初めてだ。標高は700mだという。このほったらかしの方は9年前にできた温泉で、4年ほど前にもうひとつ作ってそっちを「あっちの湯」と呼び、それまでの風呂を「こっちの湯」と呼んでいる。名前の通りに適当に作ってある。仕切りや入口の通路なんかは足場フレームを使って作ってあるし、室内の湯はプレハブの中にある。どちらの風呂にしろ入るのには600円である。あっちの「あっちの湯」に入ってこっちの「こっちの湯」に入ろうとすると1200円かかるということになる。「星空が天井」が売り物の露天風呂は全くの露天。だから景色がよく見える。露天の一番後ろに身を沈めていると風呂がそのまま崖っぷちの様に見える。ところがもっと下を覗き込もうと前によると・・下の段にある露天が見えてしまって、そこにはウゴウゴと入浴客が裸体を晒しているのだった・・。だから、前に行っちゃいかんのだ。富士山がよく見える。甲府盆地がよく見える。ここから見るとビニールハウスが全面的に燦々とお陽様を照り返している。こうしてみると、どうやら日本の農地のほとんどの部分がビニールに覆われているのではないかと思うくらいだ。それにしてもここのお湯はつるつるしてとっても良い。実に良い。周りがどんな具合でも、丸太が日本酒用のプラスティックの通い箱の上に渡して椅子にしてあったとしても、お湯はたまらなく良い。それで十分だ。
 それにしても「下手なデイパックを買うよりも安い」といって籐で編んだ背負い籠を買っていったお婆さんは凄い。
 増富へは高速を使わずに下の渋滞した道を行く。可愛らしい弁当を食べたものだからうつらうつらとまた寝てしまう。なんだかくねくねした川の横の道を上がりはじめる。河の水がホンのちょろちょろで、川上にダムがあるのだろうことを想像させる。どうやらその上の道は増富ラジウムラインと呼ばれているらしい。なんたって信玄の隠し湯だというからなぁ。ま、もっとも甲斐の国には信玄の隠し湯があっちにもこっちにもある。ここは標高が1000mあるという。道ばたにまだ雪が残っているところがある。源泉掛け流し浴槽は三つあって33℃、30℃、25℃だ。25℃はさすがに手を突っ込んで萎えた。風呂に書いてある表示を読むと温度の高い方から入れと書いてあるのだけれど、33℃の小さい湯船には10人ほどのおじさんたちが目をつむらんばかりにしてびたとも動かない。しょうがない。30℃にはいる。いや、いや、これだって動けない。プールに来てんじゃないんだから。温泉ではないけれど泡風呂に入って身体をほぐし、薬湯に入って最後に普通の温度の風呂に入った。もういうことなしだ。ラジウムなんだから良くないわけがない。
 今日の温泉はいずれにしてもこのポカポカ陽気のおかげかも知れない。
 10年前に共に学んだ同級生の一人が香港から一時帰国しているそうで、みんなで呑んでいるそうだ。電話の向こうで元気な様子が手に取る様に分かる。みんな元気で良かった。