ほぼ足りてまだ欲 その先

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「BROKEN SUN(壊れた太陽)」

 これもまた映画の話。シドニー在住のこちらの方のブログ、そしてこちらのサイトから「BROKEN SUN (壊れた太陽)」という映画が豪州で作られ、今回シドニーの市内からハーバーブリッジを渡った北の、在シドニーの日本人にとっては親しみのあるクレモーンという街の映画館をはじめ全国の22-23の映画館で公開されるという。舞台は第一次世界大戦に派兵されたオーストラリア人元兵士が暮らしている1944年のNSW州カウラ。この年のカウラといえば、第二次世界大戦中にこの田舎町につくられた敵国捕虜収容所で起きた日本人捕虜の脱走事件。オーストラリア人元兵士が脱走した日本兵と対峙する中でつくり出される戦争へのテーゼ、のようである。この時期にこうしたストーリーが映画として提示されることはとても興味深い。日本の国内でほとんど知られていないカウラ事件は日豪の関係を振り返る上では大変に大きな意味を持っている。今の日本人にとってはカウラ事件と共に日本軍によるダーウィンへの64回におよぶ空爆シドニー湾での特殊潜行艇による攻撃、南太平洋やシンガポールにおける様々な出来事を考える機会となると良いと思う。
 独立系の映画の様なので豪州国内でも公開は限られるのかも知れないが、こうした映画が日本国内でも陽の目を見て欲しい。米国映画に席巻されている日本の洋画界に打ち込む嚆矢として配給してくれる会社はないものか。
 オフィシャル・サイト → http://www.brokensunfilm.com/