ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

さくらんぼ

 13日(日)夜の日本テレビNNNドキュメント'08」はサクランボの話だった。山形県の登録種である「紅秀峰」を豪州タスマニアのReid Fruitsが栽培していて、日本向けの輸出を考えているという報道から始まった話。タスマニアは南半球だから季節が日本とは反対。だから、旬の果物であるサクランボもそのままだと日本では市場に出回らないときに販売することができる。しかし、それよりも問題なのは、この「紅秀峰」が県の登録種であることだ。ということは県外不出の品種だということだ。それなのになぜタスマニアで栽培されていたのか。ある農家が何の気なしに渡した一本の小枝から始まっているのだという。Reid Fruitsは三年間対日輸出を自粛しているという。しかし、その一方で当事者は否定しているものの、既に中国で栽培されている事実も知られている。小さな枝にして持って出てしまえばチェックのしようがないという。
 Reid Fruitsの社長は日本の登録品種についての知識がなかったわけではなくて、彼がチェックしたときには日本の役所の書類には「紅秀峰」と記載されずに開発時の番号で記されていたので記載がないと思ったというのだ。
 同じ日曜日朝のTBSテレビの「がっちりマンデー!」のゲストがサカタのタネの社長だった。サカタは広大な研究農園をもっているが、取材にはなにが植わっているのかを見せない。なにに次のターゲットを置いているのかをわかってしまうからだという。各品種の担当者は10年以上ひとつの品種に携わっている。きゅうり一本にしてもとげのない品種をつくるそばでは食感を大事にしたとげとげキュウリを開発したという。これだけの時間と労力をかけて農産物を作り上げることに日本は本当に力を持っているんだなぁと感嘆。
 こうなるとコピーに対する防衛策は真剣にならざるをえないだろう。只当事者が関心を持つだけではその防止策はできやしない。関係官庁の横断的なネットワークがなくしては構築できない。豪州に入るときの(おざなりではあるけれど)非常にタイトな姿勢を見習っても良いのではないだろうか。
 Reid Fruitsには米国から引き合いが来ていると最後に番組は報じていた。そうか、なにも対日輸出でなくても良い訳なのか・・。
 ところで「サカタのタネ」は会社案内をウェブ上で見ると現在のガーデンセンター横浜(横浜市神奈川区桐畑2)が本社の売店部として昭和26年に開かれたそうだ。ここは実は私が入学した小学校のすぐ傍で、やっぱりあの「サカタのタネ」だった。良く母親に連れられていったことを思い出す。