キンモクセイがあっちでもこっちでも真っ盛りの様子で、この花について書かれている方のブログにあたることが増えてきた。もうそんな季節になってしまったということかと、肌寒さを感じて窓を閉める。
キンモクセイの匂いはとても自己主張する。オイオイ、ここにいるぞ、知っていた?と声をかけてくる。結構木として大きいから後ろから襟首を捕まれるような気がしないでもない。この種のたっぷりとした香りを放つ花というのはいくつかあるけれど、春のクチナシやジンチョウゲに比べると、キンモクセイの香りにはなんだか豊潤というか可憐という言葉とはおよそ繋がらない、フレグランスでいうと動物系の匂い、あるいは洒脱とはいえない匂いを私は思い浮かべてしまう。そうかといって嫌いなのかといったらそうではなくて結構好きなのだ。
しかし、思い浮かべるのは死んだ母親の実家があるあの地方のことなのだ。ひょっとして幼い頃にこの匂いをすり込まれているのかも知れない。あるいはあの花の色にあるのかも知れない。思い浮かべてみるとクチナシやらジンチョウゲの花は可憐な色をしているものなぁ。