ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

日曜討論

 NHK日曜討論を聞いているとなんだか聞いたことのある声がするのでテレビをつけてみたら、案の定奥谷禮子だった。討論している相手は派遣制度の見直しを支援している作家の雨宮処凛と最初は支援に立ち上がらなかったけれど最近支援に積極的になってきた連合の逢見直人副事務局長で、あとは単純にいってしまえば奥谷に与している側に国際基督教大学八代尚宏教授)である。
 この番組は「朝まで生テレビ」のようにやるとわぁわぁになってしまうからだろうか、指名されるまでは黙っているというルールの下に進められているようだ。ちょっと残念だったのは逢見の代わりにここに湯浅誠佐高信のいずれかが座っていたら淡々と、あるいはかっちりと奥谷の資本家の代弁を論破したのではないかと思った。
 奥谷は相変わらず「そんなことをしたら企業が日本から出て行ってしまう」だし、八代は「労働の多様化を潰してはいけない」だ。
 私はこの問題をかつての労働派遣法に一旦戻し、フルスペックの「ワーキング・シェア」を確立するべきだと思う。私たちの社会はひとりひとりの国民、市民を人間として取り扱うという根本的原則に基づいて全てを考える基本に立ち返るべきだと思う。誰かが得をするために姑息な手段をとろうとする動きはやはりとらせてはならないと思う。
 お金が欲しいときはちょろっと働くけれど、そうでない時は美味しく暮らしたい、という考えを持つ人はもちろんいるだろう。だからといって全てのシステムをそういう人たちを中心にしてやれば良いんだという論理はどう考えてもまともな考えではないだろう。そういう人たちは人類の歴史上には必ずいたのではないだろうか。しかし、そうでない大多数の人たちをもそのスタンダードの中に落とし込んで、儲ける側にとって都合の良いシステムを主張するのは人間として間違っている。
 はっきり云ってしまえば奥谷がいっているのは「経済が発展しなくてどうするんだ、そのためには“人間としての尊厳”なんか気にしていられない」といっていることと同じなのだ。経済発展のしずくは上(単に金を持っている輩を上といっているに過ぎないけれど)から垂れていくんだから、下々は待っていろ、とこれまで何度も騙したけれど、そんなことは現実的にはこれっぱかりも実現していない。