ほぼ足りてまだ欲 その先

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ウィリアムス・メレル・ヴォーリス

 先日テレビの「日曜美術館」で見て知った、パナソニック電工・汐留ミュージアムに「恵みの居場所をつくる ウィリアム・メレル・ヴォーリズ」を見に行く。このミュージアムパナソニック電工の本社屋の4階にあってなんだか敷居の高い雰囲気を漂わせている。大人からは入場料を500円取る。受付の女性は如才がなさそうだが機械的。展示室内におられる女性に質問をするとちゃんと対応してくださる。
 ヴォーリスの建築物についてはとても面白い展示。図面のオリジナルが展示してあってこれが興味深い。豊郷小学校の階段手すりの詳細図には七つのウサギやカメの作り物が既に書き込んであり、鋳鉄製と指示してある。非常に丁寧にトレースしてある。初期の1911年頃の図面には縮尺として「2BU=1SHAKU」と記してある。この2BUとはなんだ・・・・?結論は多分「2分=1尺」ということで1:147の縮尺だということか。1920年代の図面にはこんな書き方はしていない。
 展示室内には「協力:竹中工務店」としてあって軽井沢に今も実在しているという「9尺2間の山荘」、元のヴォーリスの山荘、今の浮田山荘なるものが再現されている。これは昨年の滋賀県立近代美術館での展示でもあったようだ。
 彼が活躍した近江を中心に彼の設計デザインが今でも残されているわけだけれど、どうやらこのミュージアムでは軽井沢に彼の手がけたものを見に行くツアーも募集していたそうだ。
 こちらの方のブログに軽井沢実地踏査の報告が挙がっている。残念ながら浮田山荘は発見できていなかったようだ。
 そういえば星野温泉にの入り口横の川の向こうに建っている事務棟に使っている二階屋も見方によっては面白い建物だったから一度見てみようか。
 塩沢湖の奥に「軽井沢タリアセン」という施設があるそうで、そこに「睡鳩荘(すいきゅうそう)旧朝吹山荘」が移設してあって公開されているそうだ。入場料800円。
 神戸女学院のキャンパスは一度は覗いてみたい建物群であるが、公開しているのだろうか。明治学院のあのチャペルがヴォーリスだというのは意外だった。意外だったといったら京都四条大橋のたもとに建っているあの中華料理屋、東華菜館は1926年に建った矢尾政レストランという建物だったんだそうだ。惜しいことをした。3月に行ったときにじっくり見てくれば良かった。私の目は節穴だ。先ほどご紹介した同じ方がこちらでご紹介されている。貴重なブログである。
 ところでこの展示ではヴォーリスの建築には大いに焦点が当たっているのに、彼の人となりについては大変に限定的なものしかなくて不満だなぁと思っていたら、この展示会のサブ・タイトルを良く見ると「William Merrell Vories as an Architect」と書いてあるのだった。あぁ、そうかぁと華やかな建物を辞する。ヴォーリス展はこんなキラキラしたところでやりたくないなぁ、やっぱり。