ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

厚労省局長

 虚偽公文書作成・同行使容疑で、上村容疑者の当時の上司で障害保健福祉部企画課長だった、現雇用均等・児童家庭局長、村木厚子容疑者(53)が逮捕されたことがニュース速報でも報じられた。早くから「現・局長で当時の上司」という表現は各紙でも報じられていたから、明確に報道各社は操作の方向を把握していたわけだ。
 そして当時の上司は各報道の問い合わせに対して「凛の会」なんていう名前は聞いたことがないとコメントしていた様子が窺える。

村木厚労省局長・一問一答 郵便制度悪用事件
 大阪地検特捜部が逮捕した厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の村木厚子容疑者(53)は5月中旬、共同通信の取材に、障害者団体「凜の会」(現・白山会)への証明書発行について「記憶にない」と答えた。一問一答は次の通り。
−凜の会の証明書を発行したことは。
 「証明書を出した記憶はない。団体の固有名詞自体、記憶に残っていない」
−偽の証明書が団体側に渡った疑いがある。
 「あり得ない。正規に発行された証明書を使って、偽造したのではないか」
−この件で課長公印を使ったことは。
 「ない。管理は別の職員がしている。報道で公印と知り、『えー』という感じだった。本物が使われたとは考えづらい」
−国会議員から口添えなどがあったことは。
 「議員から何かあれば記憶に残るが、記憶にない。あれば異様な感じがするはずだ」
−障害者団体向けの郵便料金割引制度に関して、何も知らないのか。
 「記憶にない。ただ、郵政民営化が議論されていたとき、いろいろな障害者団体が、制度がなくなるのではないかと危惧していたことは記憶にある。団体にとって大事な制度と認識していた」
−今回の事件について、どう思うか。
 「制度が悪用されたということであれば、とても腹立たしいことだ」(河北新報2009年06月14日日曜日)

 一方、msn産経ニュース(2009.6.2 02:05)はこう断定して報じている。

当時の障害保健福祉部長(57)=退職=の供述などによると、平成16年(2004年)2月ごろ、民主党の国会議員が部長に電話で凛の会への対応を依頼。以後、部内で政治案件として扱われ、部長や企画課長=現局長=も同会主要メンバー、倉沢邦夫容疑者(73)=郵便法違反容疑で再逮捕=と面会していた。

 公明党は2009年6月8日づけで「障がい者団体向けの割引制度を悪用した郵便不正事件をめぐるマスコミ報道で、民主党の石井一副代表と牧義夫衆院議員のかかわりが指摘されています」と断定している。
 民主党牧義夫は元鳩山邦夫の秘書だったと聞くと話がどっちに向いているのかわからなくなりそう。
 「凛の会」設立者の倉沢邦夫容疑者は民主党の石井一の元私設秘書で、「白山会」会長の守田義国容疑者(69)と牧義夫は20年来のつきあいだと書いたのは日本共産党の「しんぶん赤旗」(2009年6月8日)。
 もうひとつ気にしなくてはいけないのはこの記事。

 村木局長は、2003年のスタート早々に行き詰まった障害者福祉サービス「支援費制度」にかわる「障害者自立支援法」を作った立役者。偽造証明書が発行されたとされる04年当時、障害保健福祉部は、この法案準備で多忙を極めていたという。(中国新聞 20090614)

 あの悪名高き障害者自立支援法の立役者とあっては様々な論争の的になったであろうことは疑問の余地がない。しかも今度の不正の舞台は障害者団体を名乗っている。
 自民党はこの事件の行方を選挙前の切り札として見張っているに相違ないし、民主党は相当な危機感を抱いているに違いない。西川善文を支持して、鳩山邦夫を斬っても何ら問題がないと判断した要因のひとつはこの辺にあるのではないかと邪推することも可能かも知れない。この事件の次の段階が衆議院解散に繋がる可能性は高いと素人の私はおもしろおかしく考えている。
 それにしてもこの一連のDM不正料金事件は現役の霞ヶ関の役人に公文書偽造・同行使をさせるというとんでもない危ない橋を渡らせ、巨額の金を浮かせたわけだけれど、あくまでも金は浮いたのであって、転がり出てきたわけではない。その見返りを要求するということはそこでもひとつ危ない橋を渡るわけだから犯罪としては結構力ずくである。稚拙のような気がするんだけれどなぁ。

 今日は出掛けた帰り道、近所のスーパーの前にさしかかると数人の男女が何本もの幟を立てようとしており、大きなスピーカーを持ち出していた。なんだろうと思って良く見るとその幟には大きな字で「幸福実現党」と書かれていた。つまり大川輶法一派の選挙運動の始まりのようだ。居並ぶ40代と覚しき面々を見ていると公明党のメンバーと同じ匂いがするのはこっちの気持ちに邪心があるからだろうか。邪心に関してはいくらでもこっちは持っているものなぁ。誰の言葉もあの人の言葉もみんな寄せ集めて売り物にしちゃうほどの邪心はないけれど。