ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

「東京ローズ」新聞記事

 《1949.07.01》 日本軍によって戦時捕虜となっていたオーストラリア人のCharles Cousens少佐とSydneyの南にある街、Liverpool出身のK.G.Parkyns少佐はIva 郁子 Toguriの国家反逆罪裁判の弁護側証人としてこの日に遠路、San Franciscoに到着した。強引にFBIから聴取されたようで、被告弁護人が強硬に抗議をして二人を取り返したとキャンベラ・タイムスが伝えていた。
 《1949.07.06》法廷に陪審員として召集された退役軍人の中には自身が太平洋上に従軍した人で、自ら“Tokyo Rose”の運命を決める立場に立つのは割に合わないと漏らした人もいたようだ。(The Canberra Times 1949.07.07)
 《1949.07.26》 法廷でIva 郁子 Toguriが読み上げたところによるとCharles Cousens少佐は当時、自分たちが作っているラジオ番組はできるだけ(日本軍の)プロパガンダにならないよう、エンターテインメントとして創っているんだといっていたそうだ。彼と米国人のインス少佐が彼女に語ったところによるとニュースは弱めて、捕虜のメッセージには力を入れたし、できるだけダブル・ミーニングになるように努めたといっていたそうだけれど、彼女にはどこがダブル・ミーニングになっているのかわからなかったという。(The Canberra Times 1949.07.27)
 《1949.07.19付けThe New York Times陪審員は男性6名、女性6名(専業主婦はこのうち5名)で、他の新聞記事によれば全員白人のようだ。
 いやそれにしてもNational Library of Australiaは太っ腹で、いうことがない。そこにいくとLos Angeles Timesのアーカイブなんかは記事4つで10ドルだなんていっている。その記事のアブストラクトはあるけれど、それではその記事に対する最後の決め手がわからない。年間契約すると150ドルほどだというのだけれど、それでも記事の数は200までだと書いてある。民間の新聞社の生き残り策の一つということはできるけれど、一度過去に売った生地じゃないか、という気がしながらもひょっとしたらこれから先新聞が成り立たなくなるのかも知れないと思うと、またここでも考えちゃう。しかし、新聞記事を探す側からすると「頼むよぉ〜」といいたくなるのだ。
 The New York Timesは新聞印刷版の契約者はただ、記事一つはUS$3.95で10本でUS$15.95だそうだ。
 さて、Iva 郁子 ToguriのUCLAの専攻はどうやらzoologyのようだ。なんでそんなものを専攻したのだろうか。彼女は身分証明証だけでパスポートを持たずに日本の叔母の見舞いに来て、在日米国副領事にパスポートの申請をしているうちに真珠湾が爆撃されて戦争になってしまって彼女はその後なんの連絡も貰っていなかったそうだ。
 そしてしきりに米国籍を放棄せよと迫られても彼女はそうしなかった。おかげで配給からも外されたといわれている。彼女が死守したその米国の籍そのものが後になって大きな意味を持ち、川北と似た状況だったけれど、川北は米国籍を放棄したにもかかわらず、後の彼に影響を与える結果となった。