ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

TONY BENNETT

 WOWOWの番組に「JAZZ FILE」というのがあるのは知っていた。しかし、夜中のとんでもない時間にやっていて時々トイレに起きたついでにチャンネルを入れてみて、あぁ、見たいなぁと思いながらそのまま寝るという奴だ。今朝はコーヒーを飲みがてらテレビのスイッチを入れたらTONY BENNETTだった。しかも後ろのカルテットのドラムスはHarold Jonesだ。
 そこからテレビから離れることができずにとうとう全部見た。この番組はピーター・バラカンが解説をする番組のようで、彼は日本に来て本当に良かったんじゃないだろうか。今、日本人でこの辺の役回りをできる人を思いつかないもの。
 Tony Bennettの2005年のモントレーの演奏もなかなか楽しいステージで面白いが、彼の話をずっと聞いているのがクリント・イーストウッドだというのが面白い。これは一体いつ、誰がつくったフィルムなんだろう。
 検索してみるとWarner Home Videoから「Eastwood Presents - Tony Bennett: Music Never Ends」というDVDになっている。米国では2007年に発売されているがもうすでに絶版のようだ。日本では2008年9月発売のあと、2009年7月、2009年8月に再販になっている。良く事情が分からないけれど、とにかく今はこちらで見られる。

トニー・ベネット:ミュージック・ネバー・エンド [DVD]

トニー・ベネット:ミュージック・ネバー・エンド [DVD]

 この中で今は亡きJohnny Carsonが興味深いことを云っている。Johnny Carsonがあの長寿番組「The Tonight Show」を担当した最初の日、1962年10月1日のゲストのうちのひとりがTony Bennettだったというのである。Johnnyは相当にジャズが好きで日頃から机の上で鉛筆をスティック替わりにしてカタカタやっていたそうだ。そして今Tony Bennettのマネージメントをやっているのは息子のDannyである。どうやら売れなくなってレコード会社からも契約を打ち切られ、薬におぼれていた父親を励まし、もう一度ショー・ビジネスに押し上げたのは正にこの息子だという。簡単に唄っているように見えて、その実その説得力に長けたTony Bennettの背景をとても感じさせるフィルムのひとつだといって良いだろう。