ほぼ足りてまだ欲 その先

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半世紀

 かつて戦後の日本からは随分たくさんの軽工業製品が輸出されていった。安かったからである。その代わり「安かろう、悪かろう」だった。クリスマス・ツリーにぶら下げるオーナメントの輸出で儲けた会社もあった。後年豪州や米国でその当時に日本から輸出されていた商品を見付けると「Made in Occupied Japan」なんて書いてあって連合軍占領下だったんだなぁと年代が特定できた。日本で製作された商品が揺るぎない一流の商品として定着したのは一体いつ頃だったんだろうか。
 米国だったら、車だって日本車に乗っているのはかなり賢明な人と見られる。大金持ちは欧州車に乗りたがる。品質にこだわらなければアメ車でも良い。しかし、燃費や安定性を考える様なそんな賢明な人は日本車に乗るという感覚が定着したのはいつ頃だったのだろうか。もう思い出せない。
 それがどんどん消費地に製作拠点を移していくことによって、コスト低減を頑張りはじめたところあたりから問題がたくさん出てくるようになった。文化と文化がぶつかる。そこを圧倒的な製品レベルで凌駕したが次にはglobalizationの波でどんどん目が届かなくなってきているのではないのだろうか。管理する側も管理される側も皆多国籍になってきたらNO文化という状況になるのではないだろうか。それはモラルがなくなるということではなかろうか。
 中国のここ数年を見ていると、日本が「安かろう、悪かろう」を売っていた当時のような感じがする。圧倒的な低価格で誰も彼もぐぅ〜の音も出なくなる。彼等の製品が完成期を迎えるのはいつだろうか。当時とは世の中のスピードが違っているんだから半世紀もかかりはしないだろう。ひょっとしたら20年もかからないでそこまで来てしまうだろうか。その時、この国の産業はどうなっているのだろう。