ほぼ足りてまだ欲 その先

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NHKスペシャル「“テロリスト”と呼ばれて」

 昨日見そびれてしまったNHKスペシャルを再放送で見た。例の悪名高きグァンタナモ収容所に収容されていたテロリスト容疑をかけられた人びとのその後を追いかける。この番組で取材に答えてくれた元収容者の殆どはアフガニスタンパキスタン国境当たりで捕らえられてグァンタナモに送られ、3-4年から長い人では7-8年も収容され続けてきた人たちだ。
 あの収容所ではとんでもない人権蹂躙の扱いがされているという情報は写真とともに漏れ伝わってきてはいた。全部で779名が収容されたと云われているが、その多くはテロの名の下に通常の米国憲法のくくりでは括られずに疑いのあるものはすべて解放しないという考えで運営されたために、とんでもないことになっている。
 いざ、解放されるということになっても、各国の思惑があって自分が国籍を持つ国に帰ることができない。中国新疆ウィグル地区出身のイスラム教徒は今アルバニアに暮らしていて、自分の家族の元に返ることができない。中国が受け入れないからだ。
 クウェート出身者はクウェートに帰ってから孤立。ついにアルカイダに参加し、自爆テロを実行した。その他にもグァンタナモから帰ってから、本当にイスラム系過激派に参加した人は何人もいそうだ。
 つまり、アメリカはなんの罪もない人を捉えてきて彼等から法の裁きを受ける資格も剥奪して不法にも永年やりたい放題で監禁し、反アメリカ思想を育ててきたのである。
 ジョージ・ブッシュは自分たちの仲間に富を与えるために自国民を裏切り、戦争に借りだし、そして自国に恨みを持つ民族を育ててきたということになる。とんでもない集団にアメリカという国を委ね、そして世界を巻き込んだ。
 この歴史を明確にしていくためには、あの時巻き込まれた各国は何を理由に巻き込まれ、何を理由に他国に踏み込んでいったのかを明確に検証しなくてはならないだろう。もちろん私たちの国も例外ではない。
 700人以上の人間にテロリストかも知れないというレッテルを貼り、放り出すアメリカは彼等を最後まで生活を保障する義務を負っている。