ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

デモの主導権

 先月24日、そして11月5日と続いたデモが今日計画されていて、今回は渋谷だという。前2回に較べて何となく、スッキリしない。それはこれまで告知をしていた人たちが今回のデモに関して否定的なスタンスに立っているらしく、これまで告知してきたブログには「私たちは離脱しました」と書かれている。
 今回のデモの主催者は「権力とマスコミの横暴を正し、人権を守る国民の会」とされていて、前回の主催者が掲げていた「小沢一郎」の「お」の字もない。
 あの2回のデモは多分主催者が考えてもいなかったほどの人数が集まったのだと思う。それは大変に素晴らしい出来事で、何ら組織されていない人たちがばらばらと集まってきて、400名ほどが歩き出したけれど、解散地点の日比谷公園ではもっといたといわれている。
 2回目は夜の国立競技場近くの明治公園に集まって、表参道を巡った。私が確認しただけで、500人ほどが集まってきていた。
 両方ともそうだったけれど、警察がついて歩き、車道の一番左の端を4列ないし5列になって歩くのだけれど、信号を調節し、ブロック毎に渡らせる。夜のデモは特に危険だからか、警官の数も多く、青山通りでは赤坂警察の名前が入った赤いコーンが置いてあった。つまりデモ隊がやってくる前に警察が並べて置いたわけだ。
 このデモ隊はとてもおとなしいデモ隊で、シュプレヒコールも大したことはない。

  • マスコミは真実を報道しろ!
  • 検察は捜査を可視化しろ
  • 検察は真っ黒だ。
  • マスコミは官房機密費で飯を食うな。
  • 小沢一郎は真っ白だ
  • 小沢一郎に仕事をさせろ。

といった感じなんだけれど、私は自分にとって納得がいかないものには声を挙げないで、自分がそうだと思うものには声を合わせてきた。検察がこれまで納得のいかない起訴を繰り返してきたことには許し難いと思っているし、官房機密費や、検察・警察と歩調を合わせたマスコミには腹が立っているので、この辺については声を挙げてきた。そして、その延長線上に小沢一郎に関する問題点があって、これは様々な事件の中のひとつとして私は捉えている。
 だから、デモ終了後の公園で「小沢!小沢!」というコールが上がることには違和感を持って見てきた。どうやら今日のデモに関しては、前回まで直接タッチしていたけれど離れたと宣言している側が究極の目的としている小沢一郎支持デモという色合いが払拭されているようだ。
 多分、小沢一郎に関するシュプレヒコールがぱたっとなくなるのかも知れない。それはつまり私にとっては別に問題ではないということだ。
 ところがどうやらそっちの側の人たちがtwitterにたくさん書き込んでいて、その論調がちょっと気に入らない。何が気に入らないかというと、デモは貴重な国税を使って警察によって守られていて、それなのに政府公的機関に反対するような主張をするのはどうだ、というようなことまで書かれている。
 どうもデモという示威行為が何を意味するのかということを忘れているような発言だというしかない。多分かつての安保闘争に関心を持っていた人たちからすれば、実に歯がゆいデモかもしれないが、それでもそういう意識を持った国民が少なくともいるんだということを表すことに意味があるのだと思っているので、現場では対立しなくても実行することは必要だ。
 警察だって裏金のない警察署はないと退官した警察官が証言しているくらいだから問題を抱えていることは事実だけれども。
 簡単に集まって、簡単に歩き始めたデモだから、分裂も簡単に起きる。なんだか見ているととてもプリミティブで、ウブなデモ集団だけれども、だからこそ意味がある。どこかのデモのように全員が旗を持って、大きなスピーカーで声を挙げながら歩くのとは較べようもないし、歩いている人たちもなんだか暗い感じではあるし、平均年齢も高いけれど、いうべきことはいって歩こう。
 追記
 行ってきた。澁谷の公園通りは先日「ジュリー with The Wild Ones」を見に行って以来。あの時も一番上までは行かないで渋谷公会堂までだったので、上があんな状態になっているのだとは知りませんでした。ケヤキ並木になっているそうで、それをたどっていくと代々木第二体育館の裏までまっすぐの歩行者道路になっていることを初めて知った。40年前のあの辺は駐車場だったような気がする。集合時間に遅れていったのだけれど、参加人数激減。
 やっぱり「小沢一郎の地位保全を求める」という目的を持った人たちと、検察・検察審議会・警察捜査の可視化を求め、マスコミの偏向報道を糾弾するという目的を持った人たちがどうやら分裂しているらしい。馬鹿馬鹿しい話で、一般市民が集まって組織に縛られないデモ行進として始まったはずなのに、自分で自分の首を絞めて攻撃しあっている。たった三回しか持たなかった。昔からこうした運動は必ず分裂する。そして分裂するとそれまで肩を組んでいたもの同士が、殴り合っている。余りにも幼すぎる展開に呆れる。こうした運動も、バンドも一緒で、面子が絡むと直ぐに喧嘩になる。
 小沢擁護派は「小沢は真っ白」とシュプレヒコールするけれど、私には確信はない。