ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

驚いたなぁ

日本人とは何だろうか (鶴見俊輔座談)

日本人とは何だろうか (鶴見俊輔座談)

 昨日の古本屋巡りの続きなんだけれど、鶴見俊輔の対話集というか1996年に晶文社から出版された全10巻の「〜とは何だろうか」シリーズを2冊見付けた。買ってくれば良かったのに、なぜか昨日は「考える人」にばかり神経がいっていて、開いてちょっと見ただけで棚に戻してきてしまった。なんでそんなことをしたのか、今冷静になって考えてみると理解ができない。どういうことなのか、私は得てして書店の棚の前にいると常軌を逸した行動を取る。
 そもそも鶴見俊輔という人は幅が広いというか、守備範囲が広くて、この第1巻「日本人とは何だろうか」の中で「勇気ある卑怯」というタイトルで小林よしのりとまで座談をしている。それもただ単に自分とは立ち位置の異なるこのエキセントリックな漫画家と一度会ってみようかというスタンスなんかじゃなくて、漫画を見てこう思ったんだというようなことをいっているのである。一体全体あの爺さんはどうなっているんだと本当に驚き、見上げてしまう。
 このシリーズはとても魅力のあるものばかりで、どうしても手元に持っていたい(全部を読んでいなくてもである)という気持ちになる。各冊図書館から借りだしたことはあるのだけれど、新刊書では当時一冊3800円したもので、とても手が出なかった。全10冊のうち、今手元にあるのは3冊だけで、そのうち2冊は古書店で見付けたもので、残りは地元の図書館の廃棄本の中から救い出したものだ。
 それにしても鶴見俊輔絡みの本はどんどん出る。今だって、ちょっとアマゾンを開いたら、ダイヤモンド社から“米寿にして宗教を語る”「かくれ佛教」が出たばかりだし、去年は岩波新書から「思い出袋」なんてのが出ている。