ほぼ足りてまだ欲 その先

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パパラッチでなくて、胡麻の蠅

 日本のテレビのワイドショーが如何にくだらないか、如何にその取材のスタンスが呆れるほど非人間的であって、あたかも三流週刊誌的であるのかについては、今更振り返る必要はないけれど、これがひとたび外国での取材にまで及ぶと、もはや「あんなくだらないものはチャンネルを合わせなければ良い」といっているわけにはいかなくなる。
 ニュージーランドクライストチャーチでの地震被害では完膚無きまでに潰れてしまったカンタベリー・テレビの入っているビルで何人もの日本人留学生を含む人びとが犠牲になった。奇跡的に助け出された人たちもいる。彼等はひょっとするとこれから先も、自分が助かったことを喜ぶことが他人が助からなかったことを喜ぶかの錯覚に陥って悩むかも知れないことに悩み続ける可能性がある。それは普通の良識ある(非常に曖昧なことばを使って申し訳ないが)人びとであれば想像することができる。にもかかわらず彼等日本の唾棄すべき最低マナー取材者達は、そんなことを無視して、あたかも何も考える力を持ち合わせていないかの如くに振る舞った。帰国した人がうつむいているのにもかかわらず、それをカメラでしたから執拗に撮影したり、取材進入禁止区域を設定したニュージーランド当局に突っかかって取材拒否されたり、立ち入り禁止の病院にまで踏み込んだり、黙祷のためにその場に立ち止まった人びとの周りをつきまとったりしている。
 不謹慎きわまりなく、腹立たしい限りである。彼等がやっていることは取材ではなくて、もはや野次馬以外の何物でもない。パパラッチだなんてことばで呼ばずに胡麻の蠅と呼んでやる。