ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

耐えるべきか、主張すべきか

 私も戦後直ぐの生まれだから、元々そうだったのかも知れないけれど、何をはじめるにしても、ものは揃っていない、やりやすい環境ではない、というのは当たり前のことで、それをどうにか巧い具合に折り合いをつけて、足りないながらもどうにかしていくのが世の中なんだと思っていた。あれがあればやりやすいだろうなぁとか、これから先は辛いからちょっと一休み貰いたいなぁと思っても、そうした不利な条件を受け入れてこなしていくのが世の中なんだと思っていた。
 だから、仕事の中でも「え〜っ、こんな条件で仕事をやれっていうのか?」というような時でもいやいやながら黙ってやっていた。それがある仕事のメンバーに入った時に、先輩のお一人が、長丁場の仕事なんだから、無理矢理我慢してやるんじゃなくて、ちゃんとその条件を揃えてかかるのがプロの仕事なんだということを仰った。
 その時に余りの価値観の逆転にびっくりするとともに、その正当性にも、そしてそれをキチンと主張する人がいるということにも驚いた。それまでの日本の企業風土の中には、喜んで自分を不利な仕事環境に追い込むことが立派なことなんだとする、それこそ自虐的な価値観が幅をきかせていたし、それが讃えられるムードに充ち満ちていたものだ。従業員に負担を押しつけ、それを受け入れる者を「うい奴じゃのぉ〜」とする文化は多分今でも日本企業の現場に転がっていることだろう。
 それを受け入れることによって上司の信頼を勝ち得るってことなんだといった上司だっているんだから、いつまで経っても日本の雇用関係は改善されない。そこへ「グローバリズム」を持ちこむことを是とする輩がますます日本の雇用関係をずたずたボロボロにしてしまった。「製造現場」における雇用関係に労働者派遣法を持ちこんだ日本の経営者団体は許されざる一線を超えてしまった。人間の使い捨てによってはじめて成り立つ企業経営なんだったら、それは悪魔に魂を売り渡した所業だ。