ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

歩く

 昨日の医者のことばがショックで夜もなかなか寝付けずに悶々としていたなぁと思ったらそれは昨日の昼寝が効いたんだと知れたのは、ちょっと残念であった。コレステロールの薬を飲み始めなさいといわれてこれくらいウズウズするンだってんだから、これが「あなたは胃がんです」だなんていわれることが将来あったら大変な騒ぎになるに決まっている。
 実は医者には死んだ母親は糖尿病だったとは云ってあるけれど、親父が晩年動脈瘤で手術をしたんだとは云ってない。これを云ったら彼はなんでもっと早く云わなかったんだ、というだろうか。多分体質的には元々そんな傾向があったということになるんだろう。
 生協が届けに来たら、お昼を食べがてら外に歩きに行こうと思っていたのに、いつもは判で押したようにやってくる生協の配達が珍しく約半時間ほど遅れてやってきて、気がついた時には腹が減って外に出る気が起きないくらいだった。しょうがないから納豆そばを作って食べてから出掛ける。約2ヶ月振りに床屋に行って頭を刈り、1km程歩いてJRに乗る。その間にしばらく見ないうちに3軒の店が商売を閉めているのを発見する。あっという間のことである。今時珍しいなぁと思っていたタオルやさんの中ががらんとしていた。もう跡取りもいなくなっていたのだろうか。
 有楽町で降りて、まず月刊世界を入手。この滅多に人が手にしない岩波書店のお堅い雑誌も、今月号は話題になっていて、交通会館の三省堂でも、隣の蕗書房でも平積みにしてある。こういう雑誌はなぜか蕗書房で買うことになっている。教文館にまわると、どうやらビルの外装を修理していて一瞬どこに来たのかわからないくらいだった。週刊金曜日は先週の号までは見付けたけれど、その前2週分はもうバックナンバーがなくなっていた。
 山野楽器に上がると、2階でも3階でも自分の手の中に入れて独り占めして聴いてみたいものがいくつもいくつもある。しかし、普遍的なものはきっとどこかで手に入るんじゃないかという気がするし、ちょっと話題になったものであれば通信販売でmp3の形でもう少し安く手に入るんじゃないかとすぐに思ってしまう。
 そんな気持ちで今日もまたCDの形で買って帰るのはよそうと思っていたのだけれど、ひょいと通りかかった棚にモノクロのジャケットでピアノとコルネットの男性が演奏しているものを見付けた。この店は担当者が気に入ったものにコメントをつけているけれど、それを見るとスウェーデン人の演奏者だと云うことと、ピアノとコルネットという取り合わせに興味が湧いたので、さっそく視聴してみると、思った通りの雰囲気だし、曲目もスタンダードで、新しい傾向にさほどチャレンジする積もりのない私にぴったりで思わず手が出た。なんと紙ジャケで、モノクロのジャケットと共に中のシンプルさもしっくりとしていて珠玉と思わせる。今、Willie Nelson & Wynton Marsalis Featuring Norah Jonesの「You Don't Know Me」が話題だけれど、それほど話題になっていないこういう奴が私は好きだというへそ曲がり。

エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー

エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー

 ご自分で創られたようなリストを片手に備え付けの篭を抱えて次から次にCDを見付けては放り込んでいる豪儀なおじさんを見て、思わずため息をつく。世の中には思いもよらない生活をしている人というのはおられるものなのだよ。上の階から誰かがソリッドのエレキを試し演奏している音が聞こえてくる。
 実はこれだけ中央通りを歩いていながら、警察博物館もそうだけれど、INAXのブックギャラリーにも足を踏み入れたことがない。前まで来ると「にっぽんの客船 タイムトリップ 展」(こちら)と書いたポスターが貼ってある。なにやらんと入ってみた。ブックギャラリーには建築にからんだ本を中心にかなり広い範囲の本がジャンル別になっている。あぁ、これならばと見当をつけて捜してみると欧州の建物に関する本を集めてあるところが案の定あって、しばらく離れられない。「世界遺産ビジュアルハンドブック」というものが並んでいて、中欧1-2がオーストリアチェコブダペストだったので取るものも取り敢えず入手。家に帰って良く良く見ると、「ビジュアル・ハンドブック」と称しながら、まぁ、その写真のお粗末なこと。良くこんなものを売りに出したなぁと思うけれど、良くこんなものを買った奴がいるものだと自分が恥ずかしい。
 客船は2Fのギャラリーだということであがらして貰ったら、なんと無料。中身は大阪商船の初代「あるぜんちな丸」を中心に、伊豆七等航路に就航していた橘丸といったところの一般配置図や、設計時点でのパース、就航後のメニューや案内といった好事家にはたまらないものだ。そうか、こんなセンスのものをチラッと見せてくれるのは今時凄いなぁ。
 京橋を通り過ぎる時に改めて明治屋のビルを見て見るとなかなか雰囲気があって良いものなんだなぁという気がするけれど、随分しばらく見上げていなかったことにも気がつくけれど、京橋はこんなにあちこち工事をしているとしばらく行かないでいたらきっと自分がどこにいるのかわからなくなってしまうんだろうなぁと想像する。
 丸善同潤会アパートの本を立ち読みして、地下鉄で帰宅。8,383歩。