ほぼ足りてまだ欲 その先

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植草甚一とフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー

 やっぱりおもしろいものといったら、フンデルトヴァッサーがデザインした私設美術館たるクンスト・ハウスと普通のアコモデーションであるフンベルトバッサー・ハウスだろうか。というわけで、リンクの北東にある地域へと足を伸ばした。うねうねと褶曲する床やら、壁面やら、カラフルなタイル、そして何よりも石造りの4~5階建ての公共住宅が四角に切り裂く空間をばっさばっさと切り刻む樹木の枝、そして風にそよぐ圧倒的な木の葉の存在だろう。
 また、彼の生き方もずいぶんと奔放だったようで、どこが重なるのか私には指摘することができるわけではないけれど、何となく植草甚一と、なんだか根を同じくするような気がしないではない。
 彼は日本人の妻と暮らした期間があったんだそうで、「百水」とか「豊和」とか落款が押してあったり(なんだか普通にはんこを押しただけのようだけれど)、涙する芸術家なんぞという題名を書き込んだりしているのである。
 ただ、残念なことに私は彼の絵が好きじゃない。岡本太郎にいわせたら何というのか知らないが、空山基のコメントも聞いてみたいような気がする。
 それに引き替え、これはまた随分遡るんだけれど、オットー・ワーグナーについてはもっともっと細かい話を聞き続けてみたい気にさせる。それはやっぱり時代が動いてきたからなのかも知れないけれど、あと少ししか人生が残っていない私にとってはフンデルトヴァッサーの絵が理解できるようには、多分、ならないだろうという気がする。
 郵便貯金局のビルに行ってオットー・ワーグナーを楽しもうと出かけてみると、ハーゲンアウナーの作品展が行われていた。このビルはやっぱりきて良かったなぁという気にさせる。