声優の黒沢良が9日になくなっていたのだそうだ。81歳だった。私は90歳くらいになっていたのではと思っていたから、意外だった。新聞の訃報欄には「ゲリー・クーパーの声」と書かれていたけれど、私はもうゲリー・クーパーの映画なんて殆ど憶えちゃいない。私にとって彼の声はなんたって「パパ大好き」のフレッド・マクマレイに留めを刺す。なにしろあのテレビドラマは私達戦後生まれのガキにとっては夢のようなドラマだった。不思議なことにあの家族には女性はいなくて、父親と3人の息子、そして（ここが良くのみ込めないんだけれど）おじさん（どういう関係だったんだろう、あのおじさんは）の5人家族だ。そして、（ここがポイントなんだけれど）フレッド・マクマレイのお父さんは子どもたちに本当に優しく理解を求めながら話をするのだ。うちの親父のように問答無用でビンタを張ったりしないのだよ。ここが重要だ。そうか、アメリカのオヤジってのは、あんな優しい声でお洒落なカーディガンなんか着ちゃって、「それはまずいんじゃないのか？」と諭すのか・・・羨ましいなぁと。
黒沢がどんな番組のどんな役の人の声をやっていても、すぐに判るくらいだった。
楽しませて貰った。
オヤジの従兄弟の一人が今年の1月になくなっていたんだと、その奥さんから葉書が来た。のこりの一人はどうしているのだろうか。
