ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

季節

 季節が過ぎていくと、もうそろそろお歳暮ってぇことになる。日本には夏にはお中元という贈り物をする習慣もある。お世話になった人に日ごろの感謝を伝えるということになっている。
 私はけちだから職場の人間関係に対してそうした贈り物をしたことがただの一度もない。なんだか職場の上司にそうしたことをすることが、自分に対する評価を良くして下さいねとすり寄っている行為のような気がしてイヤだった。そんなことで自分を見直して貰おうという姑息な手段がイヤだった。フェアにやっていきたかった。
 ところが人間というのは情にほだされるもので、だからこそそうした習慣がいつまでも続いていたのだろう。二人の男がいて、全く同じ条件だったとしたら、年に二度だけでも良いから丁寧に何か届けてくれる方に情は映るだろう。
 頼まれたものを数点買っていって領収書を示しながら、渡していたら最後に「ひとつくらい挨拶代わりに呉れても良いだろう!」と怒鳴った上司もいた。
 そんな小心者はどうでも良いのだけれど、実際には私は実力がなかったから疎まれた。生意気だったから使えなかった。儲かる力にならなかったからどこにも居場所はなかった。それなのに、あの会社は良く置いてくれたものだと今から考えても感心する。
 その上、何一つ周りの人間にヨイショすることをしなかったのだから、もういる理由がわからんというくらいのものだったのだろう。
 人から何かを貰うというのは実に嬉しいものだ。