ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

そろそろ

 アベノミックスだかミックスベジタブルだか知らないけれど、殆ど実態が伴っているとは思えない、単なる相場の上げ下げでしかない「経済復興」の影響が多分これからの不動産バブルになってやってくるだろう。
 東京はあっちでもこっちでも再開発という言葉を聞く。京橋でも銀座でも不思議なほど大きなビルがあちこちに完成しつつあるし、計画を聞きもする。本当にこんなにたくさんビルを建てて皆さんちゃんとやっていけるのだろうか。できてはいるけれど、中に入っている方々は採算ができているのだろうか。阿漕なことをやる奴に限って事務所を大仰なところに動かしたりするけれど、それが何か関係があったりするんだろうか。
 その証拠に戦後の痕跡を残した街並みが次から次に姿を消しつつある。広さよりもとにかく雨露を凌ぎ、どうにか商売ができることでもう充分だったあの時代を語る、そんな建物がこれまで密かに裏通りに残っていたのに、そんな建物がどんどん消えていく。さすがに寄る年波に勝てなくなってきているのは致し方がない。
 木造モルタル作りだなんてただ単なる木造に過ぎないのに、外観を繕い、尚かつ多少の防火性を持たせた工法は戦後の日本の記しておくべきものかも知れない。これまであちこちに溢れんばかりだったから気にもならなかったけれど、これから徐々に消えるだろう。
 ブリキの波板で外壁を取りあえず雨風から守れる体制にしたものの、手をつける気もなくなってそのままという断面を見せている建物が目につくようになると、その地域は誰かが大規模開発で一儲けしようと画策しているという証明のようなものだ。