ほぼ足りてまだ欲 その先

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夏服

 今の生徒達はどうなのか知らないけれど、私が中学生になった時は6月の夏服になると上は白いいわゆるワイシャツで学帽に白いカバーを掛けた。被せて後ろでたこ糸のような紐できゅっと絞って縛った。だから、大体後ろに紐が垂れていた。6月になったばかりはまだしも、紫外線が強くなってくるとあの帽子は暑い。何しろカバーの下は冬場に被っている黒いラシャ(あれをラシャっていうらしい)だから、涼しいわけがない。小学生の時に被っていた鍔の広いピケの帽子の方がなんぼか涼しかったことだろう。
 ズボンに冬ズボン、夏ズボンとあった記憶がない。一年中同じズボンを穿いていたのではなかったのか。
 私は中学も高校も学生服に金ボタンだった。普通の学帽だった。だから、暁星や開成の連中が着ていた妙にボタンの数が多い学ランとか、グレーの如何にも夏服らしい生地の学ランとか、あるいは都立九段の(今から考えると妙な)背広型が格好良く思えたものだけれど、ごく普通で良かったような気がする。
 夏制服といったら女子の白いぺらぺらなセーラー服にとどめを刺す。彼女たちが一斉にあの制服になると、あぁ、夏になるんだなと実感できた。思い出す時には必ずがらりと開け放った窓から風が吹き込んで、白い木綿のカーテンですらふわぁ〜っと拡がって優雅に見えた。