ほぼ足りてまだ欲 その先

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ブラック企業

 そうは呼ばれていなかったけれど、今でいうブラック企業といえるような企業は昔からあった。四月の初めになると、とてもまともな社会人とは思えないような雰囲気の、それでもスーツを着た若い人たちが徒党を組んで行く姿を見ることは良くあった。そういう会社は今になっていえるんだけれど、ほぼまともな会社じゃなかった。半分詐欺まがいの営業商売をやっているようなところで、だから人はどんどん入れ替わり、いなくなっちゃうから大量に採用する。
 ところが今いわれているブラック企業なるものの半分くらいは昔だったらまともな企業だった業種であったりする。昔は中卒、高卒で就職する人たちも少なくなかったわけだからそういう人たちが就職することで成り立っていた商売があった。ところが今ではそういう人たちの方が少ない。その部分は外国人労働者で補填されつつあるけれど、日本では正式に移民労働者に門を開けていない。じゃ、どうしているのかといったら、彼らの不法労働だったりするし、安く日本人を雇うことで成り立っていたりする。
 つまり、ブラック企業というのは日本の雇用形態が経営者オリエンティッドになってきたから増えてきたということなのだ。もしこれが、労働者オリエンティッドな雇用形態になっていたら「経営が成り立たないのだ」と経営者側は主張したことだろう。
 どういうことかといったら、日本の企業経営が外国人の労働者を採用することで解決するのではなくて、日本人から搾取する分量を多くすることでなり立っているということだ。