ほぼ足りてまだ欲 その先

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暗闇

 昨日、今日とあちこちで盆踊りらしい。今も炭坑節が聞こえてくる。もう日本には稼働している炭鉱なんてないのに。♪ほってぇ、ほってぇ、またほってぇ、かついで、かついで♪って教わった記憶がある。
 子どもの頃の盆踊りとか、近くの小さな神社の夏祭りの夜店なんかでは今みたいにエンジンで発電して電球を煌々と灯したりしていなかった。カーバイドのくさい匂いの明かりが主流だったから、明るいところが島のように点在しているだけで、多くが闇がかっていたから子ども心に何となく、怪しい雰囲気がして、もうそれだけで非日常そのものが広がっていたものだから、それだけでうきうきした。
 鎌倉の知り合いのうちに遊びに行くと、おじさんが海辺の夜店に連れて行ってくれて、ヨーヨーをつったり、鰻釣りにこわごわ手を出したりしたものだ。
 中学になると林間学校に行ってキャンプファイアーの明かりにちらちらと照らされながらフォークダンスをした。土曜の午後の真っ昼間の校庭でのフォークダンスと違って、なんだか甘酸っぱいフォークダンスだった記憶がある。薄暗いとか、明かりの届かない暗がりがあの時代にはなにかうきうきするものを作り出していたような気がする。