ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

窮する

 大昔。小学校に入ったか入らないの頃。うちのおふくろが近所の三浦屋という手芸用品の小さな店に行って、チャコ(Tailor's chalk裁縫を行う際に布に直接印を付けるために用いる)を買ってきてと頼まれた。はぁ〜い!といって渡された硬貨を握りしめて出た。入り口に開けたばかりのリンゴの箱があって、中に籾殻がギッシリだった。そのまますっとお使いに行けば良かったのに、つい、そこでいじり回していたら、その籾殻の中に硬貨が転がり落ちた。かき分けども、かき分けども、見つからない。焦った!見つからない。途方に暮れた。
 「あのお金じゃ買えなかった!」と咄嗟に嘘をついて家に入った。「そんなはずはないわ、前もその値段だったんだから」とおふくろが言う。値段が上がったといって、その分の金を貰って、買ってきたとしても、おふくろが次に買いに行ったらばれちゃうんだし、なにも、この中にお金を落としたといって一緒に探して貰えばいいのに、そんなことをしたと怒られるのがいやだったばっかりに、事態はもっと悪くなっちまったって事なんだ。
 それと同じ事が政治の世界でも起きている。目の前の得票を増やしたいばっかりに、あとでやる気もない公約を口にして騙している。すぐにわかる嘘なのに、今の選挙を通り過ぎて議員になっちまえば何をしても良いって。