ほぼ足りてまだ欲 その先

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リ−マン・ショック

 「The Queen of Versailles クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落」というタイトルの2012年のドキュメンタリー映画で、2012年サンダンス国際映画祭ドキュメンタリー部門監督賞受賞作品。ラス・ヴェガスでタイム・シェア・リゾートを運営するアメリカン・ドリームのシンボルともいえるデヴィッド・シーゲルと元ミセス・フロリダでグラマラスボディをもつブロンドの妻ジャッキーが、リーマン・ショックでエライ事になっていくストーリーなんだけれど、何しろこれがドキュメンタリーであるところが「ざまぁみろ!」な映画。
 元はといえばごくごく普通の環境に育った二人が、あっという間にフロリダに10数カ所のバス・ルームを持つ家に暮らしている大金持ちになり、全米で最も大きな一戸建ての家を建てている途中でリーマン・ショックがやってくる。
 しかも、この妻が元モデルだものだから美容整形やりたい放題。見るからにぞっとする。それが落ちぶれるところが見せるところだ。この旦那がジョージ・ブッシュの後ろ盾。再選の時にも関わったのか?と聞かれ、法律に触れるから、それはいわない、という始末だ。
 明け方にWOWOWが放送して、目が離せなくなった。6人の子ども+二人の里子を抱えた。一番上の娘は今年、18歳でオーヴァー・ドーズで死んだそうだ。
 シーゲル夫妻はこの映画の制作者をその後名誉毀損で訴えたそうだけれど、ウィキペディアによると彼らは調停の結果、制作者に支払うことになったそうだ。
 監督のインタビュー(こちら)から。

──日本での公開にあたり、この映画を特にどのような人に見て欲しいと思いますか?
『クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落』をアメリカで公開して分かったことは、この映画は幅広い観客、若者やお年寄り、お金持ちや貧しい人々、中産階級、あらゆる出身の人たちにアピールするということです。ユーモラスでありながら悲劇的であり、普遍的でありながら象徴的で、娯楽性がありながらためにもなります。金融危機や強欲さ、野心、そしてそれを引き起こした消費主義についての訓戒的な物語なのです。
この作品はアメリカンドリームの美点と欠点の両方について語っています。しかし、金融危機が世界中に与えた影響から我々が学んだように、アメリカンドリームは、世界中で同じような例を持つどこにでもあるような夢なのです。(オフィシャル・インタビューより)