ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

無理強い

 電通の新入社員が過労死自死をしたという事件が大きく報じられましたねぇ。これまでそうした報道もされず、泣き寝入りをしてきた遺族というのはいくらもおられたことでしょうねぇ。裁判に訴えるというのはとってもエネルギーが入りますからねぇ。だから、冤罪で有罪確定してしまってから取り返した人たちのことはとても頭が下がります。高知白バイ事件の方は今もまだ闘っておられます。
 高度経済成長の頃は企業の中で、一人一人の労働者は無理強いされて泣き寝入りしてきました。その雰囲気をそのまま抱えて暮らしてきている人もたくさんいます。彼らは自分が我慢した分、今の人たちにも我慢しろよ、という眼で見ています。
 不思議なことに自分たちが苦労したんだから、後に続く人たちにはそんな我慢はさせたくないという方向に目が向くことがそれほどないんですねぇ。俺たちだって我慢してきた、だから我慢できないわけがないという理屈になってしまう。
 私も月に120時間という残業をこなしたことがあります。一週間に半日しかお休みがなかった。それでも残業代が増えるのを励みにしていた。でも、今のブラック企業といわれる職場ではそれすら握りつぶされてしまう。
 そういえば私たちは一時期、一定時間以上の残業をしてはいけません・・・それ以上したって会社は知らないからね・・・といわれた時期もありました。もっとも組合員から外れてしまったら労務管理は自分でどうにかしろといわれていましたねぇ。こなせない仕事は自分で判断して、休日出勤したり、深夜残業でこなしたり。10人ほどの部で、自分の担当範囲は自分ただ一人、という職場ではどうしようもありませんでしたからねぇ。
 良くあれで身体を壊さなかったものだと、今から考えると不思議でしょうがない。やっぱり30代は力があったんだなぁというしかない。
 それでもあの頃の楽しみはやっぱり、子どもの成長だったんでしょうねぇ。励みだったと思います。人生って巧くできていますねぇ。