ほぼ足りてまだ欲 その先

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ポイント

 笑って、涙して、という種類の映画には共通するポイントがあります。それは何かというと・・・と思って言葉に固定したいと思っているのですが、端的にこれを定義することができずにいます。
 例えば、山田太一の寅さんがあります。渥美清主演ですね。「男は辛いよ」シリーズでございます。30何本も作られたという驚くべきヒット作です。日本人の琴線にガッチリと食い込んでおりましたし、未だに食い込みっぱなしですよ。大体、主人公の寅さんはうまくいくと自分で誤解しているし、そして自分は実際はそうでもないけれど、そうであるように思い込んだりしますね。で、マドンナからどう思われているのかは千差万別ですが、皆さんそれぞれ、良く思ってくれます。しかし、寅さんは肝心なところで大失敗をしますよ。そこで見ている人はあぁ、またやった!でも、最後は良かったねぇとなって終わるんだから、安心して「バカだねぇ、こいつは!」って思っていて良いンだ、と思って見ていますね。
 私は、ここのポイントに来ると、あ、また、この展開で、みんなを涙に引きずって行こうッてんだな!ッてんでもうイヤになっちゃうんです。で、テレビを消しちゃうんです。だからその映画の後半を知らないというのが何本もあります。
 実はこのポイントが洒落た笑いと涙の映画には確実にやってきますよね?ウディ・アレンも確実にこのポイントを作ってきます。彼の場合はこれが耐えるに辛くないマジックがかけてある場合がほとんどです。ミスター・ビーンもこれがあります。というより満載です。イギリス人もここで笑います。ビル・マーレーの映画「ヴィンセントが教えてくれたこと」も山場でやっぱりこのポイントでやってきちゃって、私は後半を見るのをやめてしまいました。だから、私の中でこの映画は完結していないんであります。
(写真 月齢14.8だそうです)