ほぼ足りてまだ欲 その先

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Masazumi Chaya

f:id:nsw2072:20200416022542j:plain:w360:left 今現在の国籍がどうなっているのか知らないけれど茶屋正純というひとは1947年九州の出身らしい。Alvin Ailey American Dance Theaterの元ダンサーにして副芸術監督を勤め、昨年暮れに引退した。彼の名前を初めて見たのは、2013年の11月にNew Yorkに行った時だった。毎年恒例のAlvin Ailey American Dance Theaterの年末公演のポスターを、地下鉄の駅で発見した。どう見ても、これは日本人の名前じゃないのかなぁと。一体誰なんだろう、日本では私は聞いたことがない名前だと。そもそもモダンダンスに興味があるわけでもないし、この時はMetropolitan Operaのことしか関心がないし、あとはNFLのカンファレンス・チャンピオンシップがあったから、それどころじゃない。
f:id:nsw2072:20200416022628j:plain:w360:right 夜中に、NHK BSでラス・ヴェガスで起こっている「偽・後見人詐欺事件」に関するカナダのドキュメンタリーを見ていたら、そのまま続けて始まったのが、BS1スペシャルという番組で、「CHAYA 魂の番人 エイリー舞踊団に捧げた半生」という番組だった。Alvin Aileyというアフリカン・アメリカンが始めたダンス・カンパニーに1972年から加わったのがこの「茶屋正純 Masazumi Chaya」だったというのだ。
 この番組のナレーターが黒柳徹子で、1971年には黒柳もやはりNew Yorkにいたのだそうで、もうひとり岡紀彦の三人で一緒に映っている写真が紹介された。岡が先にAlvin Ailey American Dance Theaterに加わったのだけれど、茶屋はそれを悔しいとも羨ましいともいわずに、良かった良かったと喜ぶ、そういう人なのだと黒柳がコメントする。黒柳の話だと、茶屋はジェリー・伊東の弟子になっていたらしい。あの「たばこの香り、オールド・スパイス!」のジェリー伊東だ。岡紀彦(おか・みちひこ)は1972~85年の間、Alvin Ailey American Dance Theaterに在籍していたが、1988年に逝去しているらしい。
 Alvin Ailey American Dance Theaterは1958年にAlvin Aileyが公演の機会に恵まれないアフリカン・アメリカンのダンサーのために組織したカンパニーなので、もちろんダンサーのほとんどはアフリカン・アメリカンで、今は瀬河寛司が唯一の日本人ダンサーとして在籍している。

 ChayaのAsst. Art Directorからの引退についてはかのThe New York Timesもそれを報じている。→ こちら
 なんだか永年の曇っていたポートレートがすっかりくっきりと見えてきたような気がした。