ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

茶番

 「自民党青森県連は公募していた衆院青森1区の後継候補に、津島(雄二元厚相)氏の長男の淳氏(42)を擁立することを決め、党本部に公認申請(2009年7月30日 朝刊)」したんだそうだけれど、これは党本部が決定するんだからまだ最終決定ではないんだそうだ。「応募した20人の中から論文などの書類審査で6人に絞り、スピーチや面接による審査の結果」なんだそうで世襲じゃないという論理なんだそうだ。そういうやり方が通ると思うというのがお粗末そのもので、これで公認しなくたって、その選挙区にほかの候補者を自民党が立てなきゃ同じことで、いつまでもそんなことをやっていれば良いんじゃないの、というのが、まぁ、私の見解だ。それでもこの選挙区では彼が当選するのかもしれないけれど、馬鹿はどこまでいっても馬鹿。お粗末そのもの。あぁ、恥ずかしい。

 もう既にあたかも衆議院選挙は告知されたかのごとくでテレビではあっちでもこっちでも、重箱の隅をつついて揚げ足取りの応酬だ。

 税負担を増やすという言葉は選挙では禁句だという縛りにがんじがらめになっているようだけれど、高負担高福祉という方向に行かなければこの国が完成度の高い国家となることは難しいことは明らかなのだから、こういう事態を正面から捉えることのできる政治家を私たちは見極めなくてはならないはずだ。民主党も橋下に色目を使ってマニフェストは最終版じゃないだなんて煮え切らない対応をするなと腹が立つ。
(090923:今頃気がつくなという話なんだけれど、引退した津島雄二の妻というのは太宰治の長女なんだそうで、従ってこの津島淳は太宰治の孫に当たるのだそうだ。得票数:68,910票で次点。当選したのは民主党県副代表だった横山北斗で101,290票(投票総数の44.5%)だったそうだ。

mud pit

 たまたま開けっ放しだった窓から強い風が吹き込んで目が覚めたのが夜中。どうも変わった夢を見ていて(いつものことだけれど)、実はツアーの残りがまだあって、歩く人はこの時間にここに集合で、より難しいコースをとりたい人はこっちの時間にあちらに集合だという連絡があって、どっちの選択にしようかと迷うところだった。
 久しぶりにTBSテレビの「CBSドキュメント」のスイッチを入れたら、最初の話題はエクアドル原油開発に伴って作られ放置されたmud pitの話だった。
 この「マッド・ピット」というものは原油を掘削する時に掘削している先端のビッド(刃先)の摩耗を低減させるために簡単にいえばある種の泥を水と一緒に刃先に突っ込んだものを回収したものを貯めておく、いわば底なし沼のようなゴミ溜だ。原油にぶつかった時には当然噴出する原油もここに入ってくる。ジェームス・ディーンの映画なんかだといっ発当てたぞ、イェ〜イってんで噴出する原油が富を象徴するというところで終わってしまうけれど、現場は実はそんな簡単な話じゃない。
 エクアドルの場合はペトロエクアドルシェブロンの合弁事業として原油開発がされた訳だろうけれど、当時は誰もそんな開発で後年問題になるであろうダメージについて語ったりしなかった。なにしろ取り出せる富にしか目がいかない。後年になってそのコンペンセーションが実に問題になってくる。
 中東なんかの砂漠のど真ん中の原油井戸だとそのマッド・ピットの上に風で砂が乗っていて、何も知らなければ車で乗り込んでしまって人知れずそのまま底なし沼にずぶずぶと沈んでいってしまうという危険がないとはいえない。実際にそんなところに乗り込んでしまった奴を知っている。
 鉱物資源を使える形に取り出すという作業には確実に何らかの人体、あるいは人間社会にダメージを与える行為が伴うようだ。しかし、一発当てて儲けるという作業の中にはそのへんの負担部分が含まれない。概ね、プラスの部分だけとってしまってとんずらである。金・銀・銅の製錬でも、亜鉛の精錬でも、ほら、あの水俣病の要因を作り出した企業だって今でもとんずらを政府の力を使ってはかろうとしている。シェブロンはあの原油開発はシェブロンが担当したのではなくて、ペトロエクアドルシェブロンの合弁事業隊が担当したんだと。便利にするには人間社会を不便にするものも同時に作り出す。でも、不便にするものには目をつむる。私もだ。