昔タズマニアの鮭養殖会社で働いていた友人から「AquatasとTassalが合併するのを知っているか」と云って電話があった。タズマニアの新聞のweb pageで見たよと云ったら、今の時代らしいといわれた。
彼は多分あそこの業界の現場で働いた最初の日本人ではないだろうか。他にも日本人が何人もあの業界に派遣されてきたことは知っているが、みんな経営スタッフとして派遣されたわけで、彼のように日本で水産を勉強した背景を持って現場で、それこそ養殖網の交換から餌やりまで実際に担当した人間はいないだろう。おかげで現場を見せてもらったことがある。クリスマスの当日でも、ボートを一人で操ってケージに餌やりにいく作業者がいた。
この種の仕事は一日もお休みすることができない。北海道の標茶の酪農家に嫁いだ都会の女性の結婚式に参列させて頂いたことがあるが、東京で開かれた披露宴に、一家は朝の餌やりを終えて急いで釧路空港から羽田にやってきた。披露宴が終わると、また急いで最終のフライトに乗って帰って行った。こんな時のために地域の人たちとの相互扶助は欠かせない。
タズマニアの現場にいたチリ人の監督はどうしているのだろうか。彼は高知大学の水産を卒業して北大で研究をしたという和菓子が大好きな面白い男だった。
