ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ナショナル・ジオグラフィック

 わがやにNational Geographicのバックナンバーが60-70部ほどある。今では日本語版も出版されているが、かつては英語版があっただけである。掲載されている多くの写真がわたしたちの世代にとっては驚くほどの美しさであった。かなり多くの部数が日本でも売られていたらしく、今でも神保町の古本屋さんに行くと何冊も積み上げられているのを見ることがある。たまたま今まで立ててあった本棚から、他の本棚に移した。1988年のオーストラリア特集号が出てきたので、これだけ机においた。なんの気なしにぱらぱらとめくっていると、男性二人が床にはいつくばり、女性がモップを持っている写真が目についた。なんとダイヤモンドの研磨をしている部屋の写真で、見失った研磨中のダイヤモンドを捜しているところだという。幸い道具の陰から出てきたらしい。その真剣な姿は笑えない。その隣のページにはCoober Pedyでのオパールを掘る多くの蛸壺のような穴が整然と並んでいるところを空中から撮った写真がある。そしてよく見るとこの写真の撮影者の名前はMISTUAKI IWAGOと書いてある。岩合さんは1986年5月号で初めてナショナル・ジオグラフィックの表紙の写真に採用されているそうである。
 この号には米国市民になったばかりのルパート・マードック、現在のNSW州首相のボブ・カーが州政府の環境大臣として登場するだけでなく、パースの日本人学校シドニー駐在の三井物産の鈴木社長までも登場する。日本人学校では生徒たちが先生を囲んで弁当を食べているところが語られ、タクシーの運転手いわく「オーストラリア人の先生は昼休みにあんなことはしないね」。