ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

題名のない音楽会

 通常日曜日の朝はいぎたなく眠っているか、出かけちゃうか、政局激突番組を見るかのいずれかであって、テレビ朝日のこの番組を見ることは滅多にない。ところが今朝はNHKの激突番組が例の「5票の差」だったので、もう良いから、というつもりでこちらを見た。すると佐渡裕指揮、シエナ・ウィンド・オーケストラの吹奏楽だった。会場はとみてやるとまじめそうな高校生、しかも主流は女子高校生ばかり。皆手に手に楽器を持っている。ケースはどうしたの、と心配してしまう。
 埼玉県立伊奈学園(伊那じゃなかったんだね)総合高校のブラスバンドが出る。この学校は20年前にできた全国で初めての総合高校で、2003年には中学もできて中高一貫校なんだという。このブラスバンドは全国大会で金賞を取ったという優秀バンド。そりゃぁもうレベル高いっす。
 埼玉県教育委員会には例の上田反動県政が積極的に取り組んでいる「新しい歴史教科書をつくる会」の高橋教育委員がいることで有名だから、ひょっとするとこれをモデルに石原慎太郎老害、頑迷都知事による白鴎「新しい歴史教科書」採用中高一貫校は創られたのかもしれないなぁ。
 佐渡裕が伊奈学園のブラスバンドをトレーニングする。いっていることは面白いし、うまいトレーナーである、ってそりゃあたりまえか。でも現場の指導者の先生の立場はどうなるんだろう、とか、これだけ完成度の高いバンドの指導は楽しいだろうなぁと思う。大変なのは、昔の私たちのバンドのような、まず呼吸法からやらなくてはならないような、譜面の理解を共通化することの必要な、練習に出てくるメンバーを確保しなくてはならないような、そんなバンドのトレーニングなんだなぁ。最後に会場に楽器を持っている高校生たちと一緒にスーザの「星条旗よ永遠なれ」を、トリオの後のテンポはこりゃ限界だろうというくらいの演奏をする。それにしても女子が圧倒的である。女子高校生がスウィング・ジャズをやる映画がヒットしたらしいけれど、なるほどね、という感じ。それにしてもこうした活動はまじめな一心不乱な学生ばかりのようで、なんだか新興宗教のようである。佐渡裕が面白いことを言った。「真剣が深刻にならないように。」蓋し名言である。みんななっちゃうんだよね、深刻に。