ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

困ったろうなぁ、高野連

 今回の事件で最も困っていて、しかも最も批判の矢面に立ちそうなのが高野連ではなかろうか。もちろんぶん殴った野球部長というのも相当だ。今時こんな「指導」をしたら大きな事件になるであろうことは誰しもが想像がつく。にもかかわらず(生徒の証言が正しいのだとすると)20発以上も顎が外れるほど殴るというのはなにがあったのだろうか。今はどのワイドショーもこの点に触れない。多分何かあったはずだ。しかも、この事件ををいつ公表するかという点についても両者のコメントは食い違う。試合は何の問題もなく成立し、57年ぶりという快挙を選手たちは成し遂げた。その陰で学校は当事者に何の謝罪も、挨拶もない。これは変だ。教育機関がとるべき態度ではない。しかし、多分その現場では誰も「生徒の家に挨拶に行きましょう!」と言い出せる雰囲気を作り出せていないのだろう。誰もが華やかな話題に酔っていたくてそんなイヤな話を持ち出したくない。それにしても高野連がこの暴力事件を差配し、白黒つけることはできない。彼らにはそんな権限はない。そうかといって、何の文句もなく成立した野球というスポーツのゲームを無効にする論拠はどこにも見いだし得ない。問題を抱えていたことが判明したらそれを自ら明らかにしてその場から撤退するということがいわゆる<常識>になってしまっているということには実はなんの理論的な論拠もなくて、しかもその上、そんな感覚によって全体の価値観を縛るというのはとても人間的だと考えているのかも知れないが、非常に曖昧な尺度を持ち込むということになってしまっている。融通は利くかも知れないが、アンフェアな状況を作り出しやすい。
 今回のことでも屁理屈をこねれば、まだ精神的にも自立の域に達していない生徒の暴力事件によって全国大会を辞した明徳義塾と、立派な大人であり、価値判断もしっかりできるはずの指導者によって起こされた暴力事件の駒澤大学苫小牧高校とでは遙かに大人が起こした暴力事件の方が罪は深いと考えることだってできる。
 その高野連に問い合わせたというマスコミはまさかNHKじゃないよなぁ・・。