ほぼ足りてまだ欲 その先

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米国牛肉輸入再開

 今日の中川農林水産大臣就任会見を聞いていると「粛々と、前向きで」と米国牛肉輸入再開を既定路線としているかの如き発言である。20ヶ月未満牛が本当に確実に把握されるのかという問題と、確実に危険部位が除去されるのかという問題を考えると全くこの条件を満たすことが不可能であることは明白である。
 米国の製造業がどうしてここまで衰退してきたのかを考えればわかりやすい。月曜日に製造されたものは決して買ってはならないといわれてもう既に半世紀以上経っている。自動車産業でこれがさほど問題にならなくなってきたのは、その生産ラインの機械化が究極まで進んでいるおかげだろう。「ロボットが作っているわけではない、人間が作っているのだから失敗があっても当たり前」という考え方が不自然だとは思わない。当然だろう。人間は失敗をするものである。それを前提として考えるからこそ「全頭検査」が条件となることに、こちらもまた不自然ではないだろう。
 米国からの圧力を受けて良い顔をしたがる政府閣僚、高級官僚の皆さんは「超高級国産黒毛和牛」をお召し上がりになるのだろうから、こんな危険を冒してもなんら心配は要らないのだろう。つまり、米国の圧力に屈することによって一番の危険にさらされるのは、「安い牛肉」の甘い言葉についつい手を出してしまう私たちなのだ。そしてこの市民の安全よりも米国産業を守ろうとする政府を創り出したのもまた、この私たちなのである。