新幹線の乗り場に行くと何やらアナウンス。山形県下が強風で新幹線が遅れているという。そういえばこの冬はそんな強風で列車が脱線転覆して人が亡くなったのだったなぁと思い出す。30分遅れているというアナウンスをやれやれと聴いているうちに、同行のお一人が現れる。彼は山形県の出身でこれから行く町からそれほど離れていないのだという。30分は遅れなかったけれど、それに近い位の遅れで列車がやってくる。指定席が離れていた彼と別れて自分の席に座り、書類をチェックする。トイレに立つと、同じ号車に他の同行者の方がお二人のっておられるのを発見。今日はとにかくこの列車に乗りましょうというアレンジ。みんなの切符を誰かが纏めて買うのだとするとその人が一時的に負担しなくてはならないし、それをお渡しする手間がかかる。これならお一人がお一人分を手配すれば終われる、という考えなんだけれども、ひょっとするとどこかで「全部やってくれよ」という声があったのかも知れない。けれど私の元には当然の如く届かない。
あとになって知ったんだけれど、この時、私は「新幹線が強風で30分ほど遅れていまぁ〜す」と上司に当たる方に携帯電話でお知らせした(凄いな、地下何階にもなるプラットフォームから携帯電話が繋がる)。聞いていなかったけれど、その方はなんと一本先の新幹線に乗っておられるのだそうだ(実はこの路線はうまくいって一時間に一本停まるだけ。下手すると2時間来なかったりする。こんなの新幹線って呼ぶの?)。早く行って現地で事前打ち合わせをしていたのだろうか。あとで目的地についてお会いすると「なにやってたんだ!」と。何事かとお伺いすると「何回電話しても応答しない!」というのである。この時思った、なんで携帯電話なんてものを買っちまったのかなぁって。こんなものを持っているからこんなことを云われるわけだろ?
午後はこれまでの関係をおさらいし、顔を繋げ、施設を見せて頂く。この町は本当に皆さんいろいろなことを考えておられて面白い。公的施設が集まっている一角に、特別養護老人ホームが建っているのだけれど、その隣に三階建ての新しい特別養護老人ホームを建てている。ここの特養では排泄介助に、なんと布おむつを今でも使っているというのには驚いた。実はこれには大いに手間がかかり、厚労省は奨めていないのだけれど、ご本人には紙おむつよりも良いといわれている。赤ちゃんのおむつだって、実はそうなんだよなぁ。自分では覚えていないけれど。
温泉のある隣町の宿舎に泊まり、懇親会である。今日はちょっと酒の入りが悪いなぁと思っていた。ぐいぐいと行かない。最期は外にまで出かけ、1時半まで口角泡を飛ばす。