雨が上がった直後の、地面がまだしっとりというか、じっとりとまんべんなく濡れている状況が、実は私は嫌いなのである。そのしっとり感が良いという人もいる。なんだか、じっとりと濡れている状況の道路には、何もかもが、それこそ桜の花びらから壊れて骨の折れたビニール傘から、破れてニコチンがしみ出したタバコの吸い殻、プラスティック・バッグからなんでもがべっとりと張り付いているような気がするのである。よぉ〜く見ると誰のか分からない長い髪の毛なんかもべったりしているような、そんななんというか、そうそう、風呂の排水溝のような、そんな気持ちの悪さを私は嗅ぐ。
それはこんな都会に暮らし続けているから・・・なんだよ。
