ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

「商売と政治は別物」

 同友会の意向に対して公僕の長が云った台詞は縦割り外交といっても良いかも知れないなぁ。実を云うと海外をマーケットとした商売をしていると、この辺の影響はそれはそれはまともに出てきてしまう。なんだか「国益」という言葉の意味合いの変化とともに、段々精神論が幅をきかせるといういつかどこかで聞いたような雰囲気がなんだか匂ってくるような気がしてきたなぁ。そして、こんなことを云うとそのうち「非国益もの!」と呼ばれるんだな。同友会の会長なんてまさしくその「非国益もの」の典型か。天に代わって討たれちゃうな。
 電車の中吊りで今月の文藝春秋保阪正康が“新・昭和史七つの謎”なるものを書いていることを知る。決して買わない文藝春秋を数十年ぶりで降りた大井町有隣堂で、また万年筆*1がついているので思わず手にした雑誌Lapitaと一緒に買った。まだ読み始めたばかりなのだけれど、その冒頭に興味深いことが書いてあった。
 太平洋戦争開戦時に石油資源がどれほど実際にこの国にあったか、という点についてほとんどつまびらかにされていないというのは、他でも彼は書いている。では、その当時民間資本はどうしていたのかという点についてここでは触れている。多少長いけれども、ここに引用する。

 実は私は、昭和五十年代にある陸軍省の元将校から、三菱商事三井物産クラスの大手商社などが、アメリカによる禁輸措置のあとに、日本に石油を輸入するための大きなプロジェクトを企図していたと聞いたことがある。アメリカ政府の対日禁輸の網の目をくぐって、日本にメジャーの石油を持ち込もうという計画だったという。ところが、それを聞きつけた陸軍省軍務局のM少佐は、プロジェクトを進めようとした企業に出向き、「国賊め」と恫喝して片っ端から潰していったというのだ。石油不足という現実を作りたかったためだ。

 なんだかどこかで聞いたような、あるいはなにかを彷彿とさせるようなエピソードではあるまいか。それだけの力があったということはこの「M少佐」なる人は実力者なのだろうか。

*1:これがなんと下品なことに赤と黒なのだ。