ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

絶賛!Cary Lewincamp !

 JR大井町駅の東側にある「大井町キュリアン・小ホール」でタズマニアから三度目の来日のソロ・ギタリスト、Cary Lewincampの本当にしっとりとしたプレイを堪能。丁度3年前にタズマニアの州都ホバートの港の西側にあるSaramanca Streetで毎週土曜日に、雨が降ろうと槍が降ろうと開かれるSaramanca Marketで彼の演奏を初めて耳にした。人との待ち合わせに急いでいたのだけれど、それでもその音色に思わず足を止め、引き返して一曲聴き、その時彼が持っていた二枚のCDを買って先を急いだ。日本に帰ってきてから彼のCDを聞く度に日本のギタリスト、岡崎倫典を想い出していた。彼に一度引き合わせたいと思っている。尤も岡崎倫典とは6-7年会っていない。
 司会は私もホバートでお世話になった幸子・バーンズさん。彼女はオーストラリアの多言語チャンネルSBSの毎週火曜日の日本語放送で、時々ホバート便りを伝えている方で、日本からホバートに研修や見学で訪問した人の多くがお世話になっているはず。
 会場はほぼ8割方の入りで、多分150人くらいのお客さんだけれど、年齢層が高い。彼のプレイを好みとするのには子どもは無理だろう。繊細で、多彩で(月並みないい方しかできない自分を呪うが)本当に人の胸を打つというのは彼の演奏のことをいうと云っても間違いではない。多分現場で演奏を聴いて感動に涙を出したのは十数年ぶりではないかと思う。前回のそれは教会であった。ちなみに彼の曲の中にはHymnというタイトルの曲もある。
 今回は琴の酒井悦子さんとのデュオが三曲(だったかな)。童謡が「浜辺の唄」と「ふるさと」の二曲。最後にフォスターの曲と“あの”金子詔一作曲の“あの”「今日の日はさようなら」だった*1
 彼にはどうやら4人の息子がいるようだけれども、彼は一人一人の曲を作っていて、それを丁寧に演奏する。子どもにとってはこれほど嬉しいことはなかろうに、と思う。勿論奥さんへの曲もあり、タズマニアの自然によせる曲もある。
 休憩の間に三枚目のCDを入手する。二枚目のアルバムのジャケットに絵を描いた方のものと思われる絵だった。一枚目のジャケットはギターの弦がアップになっているものだったはずなのに、それがなくて見慣れないジャケットのものがもう一枚ある。さっきからしゃきしゃき会場全体を大きな声で取り仕切っている女性がやってきて「あぁ、あれの二曲を録音し直してジャケットも同じ絵を描く方に描いて貰ったんですよ」という。多分この方がプロモーターなんだろう。幸子・バーンズさんにご挨拶をして、日頃の無礼を詫びる。
 二部が始まる間際に今の若者が被っていそうなキャップを被り、革のベストを着たおじいさんが真ん中に座る。派手な人だなぁと思ったら元スパイダーズの井上尭之だった。本当かどうかは知らないが1941年生まれということだからもう65歳と云うことか!時は流れる。
 Cary Lewincampのギターは多分三年前に彼が弾いていたものだと思うが、アーチートップのタズマニアのギターだそうだ。そう云えばタズマニアにはかなりな木工技術があるはずだからそんな人がいてもおかしくない。ひょっとすると私の知人が手に入れているフルサイズのエレアコもここのものかも知れない。彼のサイトを見るとGary Rizzoloというギター・ビルダーの作品のようだ。しかも、彼のギターは8弦仕様である。糸巻きがヘッドの両側に4つずつついている。勿論それだけフィンガー・ボードも広い。しかし、いつもなのか、今夜だけなのか知らないが、下から2本目の弦を張っていない。つまり一番低い音一本を時としてベース代わりに引くのである。彼のサイトにこの辺のことが書かれている。
 帰りに一番新しいCDにautographを貰って帰る。今日は心豊かなり。
〔今後の予定〕

5月13日(土)KKR 水上水明荘 kkrminakami.com:宿泊パッケージ(1泊2食) 12,800 円 水上水明荘(0278-72-2345)宛に直接申し込み下さい
5月14日(日) 小杉放庵記念日光美術館 khmoan.jp:詳細未定(0288-50-1200 宛て直接お問い合わせ下さい)
[ディナーショー]
5月16日(火)KKR ホテル東京(竹橋)丹頂の間 kkr-hotel-tokyo.gr.jp18:45〜19:30 ディナータイム。タスマニアの味をフルコースでお楽しみいただきます。(ワンドリンク付き)19:45 開演:前売り \7,000、当日 \7,500 先着50 名様限り。お問い合わせ ケアリー日本事務所 090-9206-8272

*1:金子詔一は今「今日の日はさようなら」という本を執筆中だそうで、F.I.A.という語学学校のサイトを見るとその「予告編」なるものを送ってくれる