ほぼ足りてまだ欲 その先

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研修・実習ビザ

 朝日新聞が一面トップで外国人実習生の実態について記事にしている。一面に持ってくる理由がよく分からない。というのは、この滞在資格にまつわるトラブルは今始まったことではなくて、労働集約型産業が存在するために苦肉の策として考え出され、何年もかけてどんどんその看板と実態がずれて利用されてきた制度であることは旧知の事実であるからである。どうして一面に書かれているかというと、お盆対策記事だからなんだろうと推察する。お盆休みや五月の連休前になると新聞は直ぐに腐ることのない題材で、記事を造り、それぞれ休みに突入する。企業の広報にいた時は経済部の記者に休み前に取り組みやすい題材を捜しては提供していたことがある。掲載される可能性が高くなるからである。
 残業が認められていない「研修」ビザでは実際に払われる金は極端に少ない。それは賃金ではなくて生活実費としての研修手当だからである。そのかわり「実習」ビザになると賃金は払われ、残業も可である。当初はこの「実習」ビザも創設当時に比べるとその滞在のできる期間が長くなってきている。その残業代も極端に安い時給で働いているという実態が、この記事で紹介されている。労働基準監督署に訴えるとその差額が支給されるのだそうだ。だから、実習生は安くてもやるというのだそうだけれど、今度は雇用側が処分されるからやらせないとするらしい。
 偽装請負もさることながら、こっちの「研修」「実習」も“原則禁止”の外国人未熟練労働者を日本の労働現場に裏から導入する巧妙な手段である。これで被害を受けるのは外国人なんだからこっちには関係ないんだ、というのが一般日本人のスタンス。